電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

上から目線の自分に対する嫌悪感

ランニング中、高校時代の同級生とばったり会いました。彼が近くに住んでいることはずいぶん前から知っていましたが、もう10年以上、連絡を取っていませんでした。彼からも連絡はなく、私からも連絡しませんでした。

最後に連絡を取ったのは30代に突入する直前、私が前々職の新聞社で本社に移動になったときです。彼はみなとみらいの某スポーツショップでバイトをしていて、取材の合間に顔を出して数分、立ち話をしたとき以来です。まだギリギリ20代でしたが、彼の頭がすっかり禿げ上がり、40代に見えた衝撃をよく覚えています。

きょう会ったとき、彼はそのときと同じでした。お互いに10年以上ぶりなのに、一瞬すれ違っただけでも分かるもので、私は走っていたにもかかわらず、すぐに立ち止まって振り返ると、彼も振り返っていました。髪の毛はさらに減り、顔も皺だらけで、50代後半と思われるほどでしたが、分かるもので。

彼:「久しぶり。何してんの?」
私:「在宅勤務で太ったからランニング」
彼:「へぇー、いま仕事なにしてんの?まだ新聞記者?」
私:「いや、転職した」
彼:「へぇー、俺はいま近くの○○でバイトしてる」
私:「そうなんだ」
彼:「今度○○も誘って飲みにいこうよ」
私:「おー、いいね」

10年以上ぶりなのに、会話は1分経たずに終わりました。そして、お互いにこの後、連絡することはないということをよく分かっています。きょうのようにばったり遭遇する以外、2度と会わないと思います。彼は早生まれなので学年は同じでありつつ42歳です。10年以上前に会って以来、どんなキャリアだったのかは分かりませんが、いまもバイトということは何となく想像できます。

ただ、何が嫌かって、そんな彼に対して哀れみを抱いてしまった自分です。自分はいつからそんなに偉くなったのか、上から目線になったのか。私もいつクビになるか分からないサラリーマンなのに。正社員とはそんなに偉いのか。

彼と会ってからずっともやもやしているのですが、上手く言葉にすることができません。就職氷河期世代の方であれば、私が思ったもやもやが分かると思います。企業規模にかかわらず、日本において正社員という肩書きと地位はものすごく大きいということです。いろいろと悔しいです。