電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

悪質転職エージェント

前の会社に入るときの転職活動のときですからもう8~9年前になりますが、それはそれはひどい転職エージェントに当たってしまったことがあります。大手ではなく個人でやっていて、当時の私は(いまもですが)特にめぼしいキャリアなどなく、いたって普通の転職希望者でした。

優秀な技術者やエンジニアだったり、他社で経営を任されていたり、超絶優秀な人材を個人のヘッドハンターが引き抜くということはよくありますが、私はヘッドハンターの目にひっかかるほどではありません。なぜわざわざ個人の転職エージェントが声を掛けてきたのか不思議でした。

そのときは前の会社から内々定が出ていて、あとは条件交渉を残すのみという状況でした。率直に言えば、余裕があったわけです。個人の転職エージェントが「絶対に後悔させない」「あなたなら自信を持って紹介できる」「1度会ってくれるだけでいいから」とやたらと口説いてくるので、興味本位で会ってみることにしました。

ホームページには立派な経歴が記載され、転職に成功した人々の感謝の声にあふれ、それはそれは立派な転職エージェントだと思っていたのですが、事務所は秋葉原駅前の雑居ビルの1室。しかも、着いたら横柄な態度で、これまで何度も声を掛けたのに何ですぐ反応しなかったのかと文句を言われました。

この時点で帰ればよかったのですが、何とその後に面接をセッティングしたから行ってくれ、という驚きのセリフが飛び出しました。実は行く前に某一部上場企業の求人を紹介すると言われており、自分が言えば書類をすっ飛ばして即面接から、と言われていました。

紹介された求人と、即面接からということに嘘はありませんでしたが、転職の面談だと思っていったらそのまま面接に行ってくれ、とはなかなかファンキーです。その日は有休を取っていて時間があったので、面白半分で面接を受けにいきました。

面接を受けたのはいまもあるITベンチャーの老舗です。怪盗のケータイゲームで終わるかと思ったらプロ野球チームを保有するほどにまでなったところです。正直言ってあまり良いイメージがありませんでしたが、とりあえず色んな企業の中を見てみようというのと暇つぶしの半々で受けてみたわけです。

約1時間、もうそのころは面接を20本近くこなしていたので、無難に終わりました。どうしても入りたいと思っていたわけではないので可もなく、かといって礼を失しないよう不可もなく収めたと思っていました。しかし、面接が終わって15分後ぐらいに転職エージェントからメールが届きました。

何でも、面接が終わった直後に面接官から連絡があり、清潔感なく暗い印象を与える人で(=私)、何であんな人を紹介したのか分からない、バカにしているのか、とお怒りだったそうです。転職エージェントには、自分のクライアントに失礼なことをしやがって、2度と連絡するな、と言われてしまいました。

そんなことあるの?と思われるかもしれませんが、実際にあったことです。幸いにもその直後に内々定が出ていた会社から納得のいく条件が提示され、無事に内定が出たのですぐに忘れてしまいましたが、冷静になって考えればものすごく失礼な対応をされたと思います。

なぜ、そんな前のことを急に思い出したかというと、何とまた連絡がきたからです、LinkedIn経由で。LinkedInは登録したもののまったく使っていないのですが、忘れたころにヘッドハンターからメッセージがきたりしていて、あのときの私だと知ってか知らずか、昔と同じようなメッセージを送ってきました。

アホか…。

もちろん返事などしません。完全無視です。良い機会だと思ったのでLinkedInのアカウントを削除しました。まったく使っていないのに残していると、またこういうアホを引き寄せてしまうでしょう。

新型コロナウイルス感染症による景気の悪化で、早期退職などがこれから増えてくると思います。早く転職を決めなければと焦る気持ちはよく分かりますが、そういった隙を狙う悪質転職エージェントが少なくありません。目先の聞き心地の良い言葉に騙されないようお気をつけください。

そうも言っていられない気持ちも痛いほど分かるのですが。