電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

レナウンの凋落が悲しい

私はふだん、スーツを着ません。外を出歩く営業職ではなく、基本的にずっとオフィスにいますし、会社自体もビジネスカジュアルの方針なので、Yシャツとスラックス、革靴ぐらいで、ジャケットを羽織ることもそうそうありません。

ただ、それでもたまにプレゼンに出かけたり、クライアントと打ち合わせだったり、きちんとした格好をしないといけないときもあるため、とりあえず2着用意してあるのですが、スーツも流行り廃りが意外と早く、そこその頻度で買い換える必要があります。

この歳になって既製品というのも気になるので、オーダーで仕立てたことも何度かあります。最近はずいぶんと安くなっていますし。ただ、新聞記者時代は常にスーツで、暴風雨や大雪の中でもスーツで走り回っていたため、私にとってのスーツは作業着です。

この感覚が残っているため、オーダーで仕立てたスーツを仕事に着ていくのは何だかもったいないような気持ちがずっとあり、前職の出版社からビジネスカジュアルになったのをいいことにずっとスーツ問題を無視してきましたが、これを初めて見たとき「これだ!」と思いました。

kirudake.e-shop.renown.com

レナウンが2年前に始めたスーツのサブスクリプションサービスで、春夏用×2着、秋冬用×2着を送ってくれるものです。そのときの最新の流行りのものをレナウンで選んで送ってくれますし、保管場所に頭を悩ませることもなくなります。

しかし、早速申し込もうと思ったら、これが大人気で、自分に合ったサイズも含めてあっという間に定員に達し、申し込めませんでした。年に何回か、新規申し込み受け付けもありましたが、その度にあっという間に申し込み終了でした。

結局、諦めてそのうち申し込めるかと思っていたら、報道されたとおりレナウンが民事再生手続きを申請してしまいました。「着ルダケ」はどうなるのかと思っていましたが、会員登録だけしてあった私のところにも、サービスの終了とサイトの閉鎖のメールが届きました。

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「着ルダケ」はサービス開始直後から利用見込みを常に上方修正するぐらい大人気だったようですし、質もそれなりに良かったようで口コミも高評価が目立っていました。落ち目だったレナウンにとっても久しぶりのヒットだったはずです。

レナウンといえば、バブル時代に小学生だった私にとっては憧れの的でした。オシャレで画期的なテレビCMを連発し、ドラマのスポンサーになったり、実際にドラマの主人公がレナウンの洋服を着ていたり、大人になったら自分も買いたいと思っていたものです。

レナウンは6月末までにスポンサーが決まらず、このままでは解体されてしまいます。また、全従業員の3分の1に当たる300人規模のリストラを打ち出しましたが、募集締め切りまでに人数が集まらなかったそうです。この時期に自分から出ていく人がいないのは仕方ありません。

募集しても集まらなかったからといってリストラはやめられないので、また次の手を打つのでしょうけど、最終的には整理解雇の4要件を満たすことになり、クビになる人が出てくるでしょう。地獄はまだ始まったばかりです。