電車の中の恋人

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就職氷河期世代の不運が際立つ

新型コロナウイルス感染症の拡大によって企業の業績が落ち込めば採用を抑えることは当然で、2021年春入社の大卒採用の伸び率は20年春の7.5%増より4.9ポイント減の2.6%増にとどまったそうです。リーマン・ショック以来、10年ぶりの低水準とのことです。

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これだけ見ると、いまの大学4年生は運が悪い、かわいそうだと思うでしょうし、確かに不運ではありますが、それでも伸びています。また、ここ数年の伸び率が良く、あくまでもそれと比較したら低水準であって、マイナスになっていないだけでもすごいことです。

そもそも、リーマン・ショック時は金融が大打撃を受けたせいで例外なく幅広い業種が採用を抑えましたが、今回の新型コロナ感染症による影響では一部の業界が大打撃を受けた一方、逆に需要が増加して人手不足になっている業界もあります。

航空や自動車、小売りを志望していた学生にとっては就職活動が厳しくなってしまいますが、全体で見れば就職そのものはまだ売り手市場であるわけです。リーマン・ショック時はもちろん、就職氷河期の状況とは比べるべくもありません。

就職氷河期世代の支援にようやく注目が集まったと思ったら新型コロナ感染症のせいでうやむやになってしまいました。新卒であればまだしも大した職歴も経験もない30代後半~40代前半を好んで採用しようという企業はないでしょう。

政府はきょう、とってつけたように就職氷河期世代の支援に向けた全国会合を開き、今後3年間で就職氷河期世代を国家公務員として450人超採用する方針を示しましたが、焼け石に水です。つくづく運に見放され、貧乏くじしか残っていない世代です。

就職氷河期世代を救うチャンスは去年からの一連の取り組みが最初で最後だと思っています。いまを逃すと無理だと思うのですが、もうタイミングを失ってしまいました。貯金もなく、年金も納めておらず、生活保護になって社会保険を圧迫しても、それは国や社会の責任です。就職氷河期世代を生み出し、見て見ぬ振りをしてきたツケはしっかりと払ってもらわねば。