他人に説明できないような言葉を使うな
「カタカナを多用するな、漢字と平仮名に直せ」と新聞記者時代に言われ続けたことは何度か書きました。画数が多い漢字と比べてカタカナは軽く見え、ポップな印象を与えます。それは時に物事の本質を気付きにくくしますが、ここ数日、このことを実感している人が多いのではないかと思います。
- クラスター → 集団感染
- オーバーシュート → 感染爆発
- ロックダウン → 都市封鎖
河野太郎防衛相がツイッターで「なんでカタカナ?」とつぶやき、「いいね」が大量に集まったそうですが、私もそう思います。聞き心地の良い言葉を並べることで本当に大切なことを曖昧にするのは政治家の常套手段ですが、さすが我が神奈川県選出の議員です。
例えば「某所での集団感染がきっかけとなって爆発的な感染につながり、落ち着くまで都心を封鎖することになりました」と書けば誰でも分かると思います。日本人ですから、漢字と平仮名で書けば済むことです。
いまはそれを「某所でのクラスターがきっかけとなってオーバーシュートにつながり、ロックダウンになりました」と書いているわけです。何のこっちゃ?です。古巣もいまや政府発表をそのままなぞっています。
自分で他人に説明できないような言葉を使うな、とも何度も言われました。いまとなっては貴重な教えです。