電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

上司がムカついても仕事がつまらなくてもしがみつく

日系企業と外資系企業の違いについてはこれまで何度か書いていますが、私にとって特に違和感があるのが、直属の上司に絶対服従、上司のポチとなって、いかに上司を出世させられるか、いかに上司を気持ち良くさせられるかどうか、が鍵になるという働き方です。

日系の人事評価は原則として人事部が実施します。もちろん、上司による評価を無視することはありませんが、会社全体の構成を考えて人員を配置するため、例えば上司に嫌われて評価が低かったとしても、年功序列で昇進して別部署に異動することもあるわけです。

一方、外資系の人事評価は直属の上司による評価のみです。入社する時点で就社ではなく就職ですので、他部署への異動などはまずありません。また、人事はあくまでも社会保険や福利厚生などの手続きをするのみで、評価にはまったく関与しません。

いくら仕事ができたとしても、直属の上司に嫌われたら即終了です。そのため、嫌われないように上司のために必死で働きます。自分の実績や手柄は上司のもの、それによって上司が出世し、上司がいたポジションに自分を引き上げてくれることに期待します。

私はポチ

正直言ってムカつきます。私がほぼすべて書き上げた原稿を自分のものとして「いやー、時間がかかりました」と言っているのを見ると「それを書いたのは俺じゃねーか」と喉元まで出かかります。しかし、私はポチです。お手と言われたら手を出さなければなりません。

ただ、おかしな働き方と思われるかもしれませんが、これはこれで合理的です。自分の適正や希望を無視され、会社都合で人事にあちこち異動させられることも変な話です。会社全体ではなく、上司だけを見ていればよいのはある意味、楽でもありますし。

自由な働き方の代償

それに、新型コロナウイルスでフリーランスや自営業の方々が苦労している話を耳にするたび、組織にいて本当に良かったと実感します。有休で休んでも、在宅にして2~3時間ぐらい働いても、きちんと1日分の給料がもらえ、給料日にはきちんと振り込まれます。

正社員のサラリーマンにとっては当たり前のことですが、フリーランスだったり自営業だったり、時間で働くバイトだったり派遣社員だったりするとこうはいきません。仕事がなければ収入ゼロ、誰も補償も援助もしてくれません。

その代わりに自由な働き方を手に入れたのかもしれませんが、フリーランスも自営業も相手がいてこそですし、そうそう自分の好きなように働くことなどできません。こういうときの大ピンチと比べると、割に合わないのではないでしょうか。

サラリーマンは気楽な稼業

組織に入ればムカつくことばかり、いつも辞めたいと思うものですが、それをガマンすることで得られているものの大きさは半端なく、一時の気の迷いで放り投げたりしないよう気をつけないといけません。やはり、サラリーマンは気楽な稼業です。