電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

働く男の4年前のあの日のトラウマ

今朝、いつも通りに出社したところで「ずずずさん、ちょっと」と空いている会議室に上司に連れ込まれました。カバンをイスの上に置いたものの、まだコートを脱いでいない状態です。一瞬にして4年前のことを思い出し、身体が強張りました。

結論から言うと、部署を横断した全社の取り組みに部の代表として参加してほしいというものでした。そんなに急ぐほどのことなのかと疑問に思いましたが、ボスにとっては一大事だったようです。人の気も知らずに人騒がせな。

リストラ

4年前のこととは、リストラされかけたときのことです。今朝と同じように出社したところで上司に会議室に呼ばれ、会社として書籍出版事業をやめることになったこと、私のポジションがなくなること、あらためて人事から話があることを伝えられました。

そして、その日の午後、人事に呼ばれて「これをよく読んで、いまここでサインするように」と退職合意書を突きつけられました。色々あって私は残りましたが、会社を信用することができなくなり、転職していまに至ります。

決戦は金曜日

外資系のリストラ通告は大抵、週末です。日本と違って雇用が流動化しているとはいえ、海外のサラリーマンもリストラにはショックを受けます。そのため、土日で少しでも気持ちを落ち着けられるよう、週末に通告するわけです。

出社したらIDカードが無効になっていてオフィスに入れず、私物を詰め込んだ段ボールを渡されて入り口で追い返されるという映画のようなリストラも決してないわけではありませんが、投資銀行などごく一部のみです。

そういえば、4年前のあの日も金曜日でした。2016年7月8日、よりにもよって30代最後の誕生日に思いもかけないビッグなプレゼントをもらいました。サプライズにもほどがあり、我ながらどこまで芸人体質なのかと苦笑しました。

怯え

日系企業であっても、これからは常にリストラを感じながら働かなければならないでしょう。1社で10年働き続けられれば相当で、5年働き続けることも難しくなってくると思っています。正規も非正規も関係なく、常に怯えることになるはずです。

「クビ上等。自分を欲しがるところは他にもいっぱいあるし」と思える人は、日本人全体の1~2%でしょう。どこでも通用できるスキルを磨け、と言われたところで、誰もがそんなものを身につけられるわけがありません。

悲惨な事件・事故を経験した人からみたら、私の出来事などトラウマと呼ぶのもおこがましいようなことだろうと思いますが、それでも4年前のあの日のことはトラウマとなって残っています。トラウマを消し去るために、きょうも必死で働きます。