電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

モテ期がきているのか

新聞記者時代に大変お世話になった上司が定年を機に会社を立ち上げるとのことで、スタッフとして参加しないかと誘われています。定年は今年の6月で、少し休みつつ色々と準備して、9月に立ち上げる予定だそうです。

大学を卒業して新聞社に入った直後から、記者として、社会人として育ててくれた人で、仕事は抜群、読売や日経など全国紙から何度もスカウトされながらすべて断り、経営幹部への出世も断ってずっと現場の記者であり続けました。

反体制派筆頭のような人で、私が辞めるきっかけとなった内乱で真っ先に辞めようとしていたのですが、この人がいなくなると紙面の質を保てず、経営層も嫌々ながら引き止めたほどです。私をはじめ辞めることになった記者たちも全員「あなたは残ってくれ」とお願いしました。

本当は昨年末で定年だったそうですが、やはり後が育っていないということで半年延ばされたそうです。しかし、さすがにもう疲れたということで、6月での退職を確約させたそうで。いや、よくここまで古巣を支えてくださったと思います。

この人、ちょっと変わっていて、中央大学の文学部を卒業後、生まれ故郷の石川県輪島市に戻って漆塗りの職人に弟子入りしたものの、塗りの修行を観光客に見られる日々に「俺は見世物じゃねぇ!」とキレて東京に戻り、古巣に入ったという。

やろうとしていることは面白そうですし、何よりこの人とまた一緒に仕事ができることは何よりの喜びです。いますぐにでも参加したいぐらいですが、お金の条件がかなり厳しく、他に掛け持ちしないと生活できないほどです。

組織は便利

私には守るべき家族もなく、気ままな独身ですが、超就職氷河期世代であり、前職でリストラされかけたトラウマもあり、雇用というものに人一倍、敏感になっています。「はいはーい」と気軽に応じられそうに見えるでしょうけど、逆に慎重になります。

1つの組織に長くいられるわけがないことを身に染みてよく分かっています。これからは組織に頼らず、自力で稼げるようにならなければいけません。ただ、それがよく分かっているからこそ、組織にいられるうちは組織にいたいと思ってしまいます。組織はとても都合の良いものですから。

組織が私にまだいてもいいと言うのであれば、私はもう少し組織を利用させてもらいたいと思っています。そのうち、泣いてすがってもいられなくなるでしょうから、自分から出ていくことはありません。少なくともいまはまだその時ではありません。

いまの仕事を続けながら始めはサポート、少しずつシフトしてきてくれれば、と言ってくれていますが、この人と一緒に仕事するのにそんな中途半端でよいのかと悩む自分がいます。しかし、お金は大切です。お金で愛は買えませんが、お金がない愛は育ちません。

そういえば先月、何度か出演させてもらっているライブバーのオーナーから、いますぐではないけれどいずれ店を継いでくれないか、と冗談か本気か言われました。モテ期がきているのかもしれません。