電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」という舐めた計画が発表されたわけで

今年から厚生労働省を取材しているため、医療費や介護費など社会保障費について検討する場に足を運ぶことが増えました。実を言うと、何だかんだ言っても何とかなるだろうと思っていましたが、自分の20年後、30年後は本当にヤバイと実感するようになりました。

がんばって日本を作り上げてきた現役世代が年を取ったときに、その子たちが現役世代になって支え、その子たちが年を取ったときに…という仕組みによっていまの日本があることは事実ですし、これ自体はとても良いものだと思います。

ただ、いまの30~40代の現役世代は、引退した世代を支えたいと思えませんし、そもそも支えられません。終戦直後の昭和22~24年の3年間の出生数は約850万人、それに対して今年の出生数見込みは約87万人です。自分の生活だけで精一杯なのにどうやって高齢者を支えろ、というのか。

出生数が少ないというのは、いま会社でバリバリ働いて結婚して子どもを育てているはずである30~40代がそうしていないからであって、社会がそうできない状況に追い込んだからです。厚労省が昨日、ふざけた計画を発表して、生きる気力を失いかけました。

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何度も書いているように、就職氷河期世代は正社員になれれば何でもよいというわけではありませんし、それを贅沢だのわがままだの言う資格は誰にもありません。ましてや、本人の努力が足りなかったという自己責任論を言う奴は○んでしまえ、と思います。

「相談、教育訓練から就職、定着まで切れ目のない支援」という項目を試しに見てみましょう。

①業界団体等による短期間での資格取得・正社員就職の支援
②観光業、自動車整備業、建設業、造船・舶用工業、船員等への新規就業者の確保・育成
③農業、林業、漁業への新規就業者の確保・育成

①の業界とは「IT、建設、運輸、農業その他人材ニーズの高い業界」と書かれています。つまり人手が不足している業界、誰も就職したくない業界ということで、要はそこに就職氷河期世代を体の良い人身御供としてぶっ込みたいわけです。また、こんなものも発表されました。

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必死に勉強してセンター試験を受けて大学を卒業しても虐げられてきた世代に、さらに20年後にセンター試験を受けさせるとは。こんなものを受ける気力がある人はまだマシで、削りに削られて立ち上がれない人々を何とかすべきなのに、やはり自己責任論で片付けられてしまうのか。

もう立ち上がれない人々を無理に立ち上がらせようとせず、穏やかに引きこもりを続けられるように補助金を設け、その財源はいまの社会にした高齢者世代からもらえばよいと思います。医療費を一律3割負担にしたり、年金を減らしたりすれば、すぐ捻出できるはずです。

戦後から高度成長期までがんばって日本を作り上げてくれたことには感謝しますが、それをすべてチャラにしてしまった失策の責任は身体を張って取ってもらうべきです。れいわ新選組やN国の主張よりはよっぽどマシだと思うのですが、誰か公約として掲げないものか。