電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

人事は人の生命を左右する重要な仕事

転職エージェントは、紹介した案件のすべてに応募することを強く勧めてきます。中途採用は空きができたポジションを埋めることが目的で、原則として採用者数が1人になり、とにかく厳しいので「“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”でいけ」というわけです。

また、ウェブ上からの応募が基本となり、応募が簡単になったということもあります。履歴書などはWordで1度作成すればよく、キーボードによる入力は手書きと比べて圧倒的に簡単、さらに1度に何社も同時に応募できるようなシステムになっています。

これは新卒でも同じです。私が新卒で就職活動した2000年はリクナビや企業HPからの応募がほぼ当たり前になっていましたし、何より超就職氷河期だったので、60社、70社への応募が普通でした。中途のように年齢や業界経験を求められることもほとんどないので、何か反応があればラッキー♪ぐらいの勢いでした。

超就職氷河期世代として、10社や20社落ちたぐらいで…と思う反面、たとえ1社だけでも落ちるのは辛いので、ヤワだなどと思いません。書類で落ちたら「直接会わずに何が分かる」と凹み、面接で落ちたら「人間性を否定された」と凹みます。要はどうなっても落ちたら凹むわけです。

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就活で自殺というのもまったく不思議に思いません。その一歩手前にいる人を学生時代にたくさん見ましたし、完全に音信不通で生きているのかどうかも分からないかつての友人もいます。学生時代でも、大人になってからでも、就職活動はとにかく辛いのです。

初めての転職活動のとき、ある小さな出版社に応募して面接で落ちたのですが、不採用のメールに「自分のほうが優秀で何で不採用なのか分からないと思われるでしょうし、私の見る目が未熟であり、○○さんの良さに気付けずに申し訳ない」といったことが丁寧に書かれて救われました。

また、ケチャップで有名なカゴメが、不採用になった学生を含めて応募者全員に自社製品を送っていることが去年、大きな話題になりました。不採用になったことすら連絡しないクソ企業が増えている中で本当にすごいと思います。なかなかできることではありません。

誰でもとりあえず応募できてしまう、というハードルの低さを変えることも重要ですが、それよりも応募者を人財と考えず消費財としか見ていない企業側の意識を変えるべきではないかと思います。私がもらったような丁寧なメールは無理でも、応募者に対する考え方を少し変えるだけで救われる人が増えるはずです。

人事は、人の生命を左右する重要な仕事と言っても過言ではないと思うわけです。新卒、中途問わず、就職活動中の人、大変だろうけど、みんながんばれ。