電車の中の恋人

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続・就職氷河期世代はわがままなのか

「良かったですね」のひと言に尽きます。

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もちろん、色んな意見があるはずです。たった4人では焼け石に水だの、競争率500倍以上など新卒時から20年以上経っても変わっていないだの、ここで疲弊してさらに意欲を削がれるだの、超就職氷河期世代として言いたいことはありますが、それでも本当に良かったと思います。

超就職氷河期当時、60~70社の応募は当たり前で100社以上も珍しくなく、それでも書類を通過するのは4~5社、面接も人として扱われていないようなものばかりで、そもそも採用する気がないのに社員がストレスを発散するためだけに呼ばれた面接すら少なくありませんでした。

会社説明会を予約するだけでも難しく、やっとの思いで参加しても、「暑いですね。選考ではなく説明会ですから、上着を脱ぐなど楽にして聞いてください」と会社側が言ったので素直に従ったら「いま上着を脱いだ人はお帰りください」と言われた、という当時の思い出のツイートがバズッていましたが、これホントのことです。

今回、不採用になった方々は「結局、俺の人生はいつもこうだ。どうせもうずっとダメなんだ」と思っているはずです。それに対して、私は何も言えません。励ますことはもちろん、自己責任論で責めることもできません。何を言っても届かないことがよく分かるからです。

私は新卒からいままでずっと正社員として働いていますが、自分の実力などではなく、単なる運だと思っています。ただ運が良かっただけです。私より優秀なのに無職や非正規雇用で苦労している人はたくさんいるはずですし、私もそうなっていた可能性があったはずですから。

意味不明な義務

ただ、今回、採用された方々はとても苦労するだろうと思います。前例がないことを極端に嫌う行政に特例として入るわけで、市役所内で大注目を浴びるはずです。また「40歳を過ぎてこんなことも知らないの?」という態度を取る人が絶対にいます。

さらに「今回、不採用になった人の分までがんばるべきだ」という意味不明な義務を背負わされます。そういうことを言いたくなる気持ちは分かりますが、これまで約20年、苦労してきたのですから、自分自身のためだけに働いても罰は当たらないはずです。

公務員ですから市民のために働くことは当然ですが、不採用になった人のことまで気にする必要はないはずですし、周囲も過度な責任感を求めてはならないと思います。背負わず、気負わず、当たり前の仕事に当たり前のように取り組むだけで十分です。

優秀なのに埋もれている人はまだまだいるはずです。1人でも多く世に出てくれることを願っています。

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