電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

そこはかとない上から目線

人間は、自分でよく分かっていることを他人に指摘されると腹が立つ生き物です。やるべきことはよく分かっていて、言われなくてもやるつもりだったことをあれこれ指示されると腹が立ち、途端にやる気がなくなります。例えば、いまからメールで資料を送ろうとしたところで「まだ?」と言われるとか。

私は子どものころから犬が大好きで、これまで3匹の犬と過ごしてきました。1匹目は外で飼っていたからか病気で6年で亡くなってしまいましたが、2匹目と3匹目はそれぞれ17年、15年と長生きしてくれました。亡くなったときは大の大人のくせに大泣きしました。要はペットの大切さや失ったときの悲しみをよく分かっているということです。

鳥を捕まえるなど無理

台風直撃の翌日の夜、ベランダから鳥の鳴き声が聞こえました。スズメやハト、カラスといった感じではなく、ペットショップで聞くような鳴き声だったので、カーテンをそーっと開けてみたら、薄い青がベースのインコがいました。飼い主が台風でバタバタしているときに逃げてしまったのでしょう。

フェイスブックやツイッターなどSNSで迷子の犬や猫を探しているという書き込みをよく目にしますし、それこそ近所の電柱にインコを探す張り紙も見かけます。できることなら部屋に誘い込んで保護し、飼い主のもとに戻してあげられないかと思ったわけです。

しかし、いくら人に飼われていたであろうインコであっても、素人が鳥を捕まえるなど不可能です。窓を開けた瞬間に飛んでいってしまいました。台風が過ぎた後とはいえ、風は強く、夜だったので真っ暗、まだ近くにいたかもしれませんが、外に出て探すというのもためらわれました。

善意の強制

…ということをツイッターにつぶやいたら「保護して」という書き込みやリツイートが結構な数あり、「飼い主さんが必死で探しているはずなんだから保護しないと!」というDMまできました。気付いたのは保護しようとして逃げた後で、逃げたことをつぶやいたら、まったく関係ない人から「ご対応ありがとうございました」という書き込みが。

何だろう、このそこはかとない上から目線な感じ…。

感謝ではなく「うむ、ご苦労」と言われているように感じたわけです。善意の強制と言うとさすがに言い過ぎかもしれませんが、まったく知らない人に「やれ」と指示される、しかも自分がよく分かっていることを指示されるとイラッとするものです。

我ながらひねくれております。