電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

出戻り社員

自己都合で退職した会社に戻る、いわゆる出戻り社員が増えているそうです。本人が戻りたいというのならまだしも、会社側がそれを受け入れるとは思えなかったのですが、最近はむしろ出戻り社員を歓迎する会社が多いそうで。

私の部署で先日、ボスの気まぐれで席替えがありました。同じフロアにいたもののそれまでまったく話したことがなかった方と隣同士になり、いろいろと話すようになったのですが、その方(30代後半、男子)が何と出戻りでした。

6年前に入社して3年で転職し、転職先を2年で退職して、出戻ってきたそうです。外資なので早々に出ていく人はたくさんいますが、また戻ってきたという人は恐らく初めてだろうとのことでした。私の友人や知人を通じても初めてお目にかかりました。

新卒採用と年功序列、終身雇用の3点セットが当たり前だったころの日系企業であれば、実家の家業を継ぐだったり、両親の介護だったり、よほどの理由がなく自己都合で退職しようものなら、2度と敷居をまたがせなかっただろうと思います。

また、辞めたほうも多少なりとも嫌なことがあったから辞めたわけで、辞めるほど嫌だと思ったことはなかなか改善されるものではありません。「辞めたくせに戻ってきやがって調子のいい奴だ」と思う人も少なからずいるはずですし。

出戻り社員を受け入れている会社では、社風や仕事の進め方を一から教えずとも分かっていることや、他社を見たからこそ自社の良さに気付くと同時に足りない点を改善してくれることなど、メリットを感じているそうです。

そんなに上手くいくのかどうか疑わしいですが、上手くいっている例もあるようですので、働き方というものが本当に変わってきていると実感します。雇用の流動化が良い方向に向かい、好影響を及ぼすのであれば大歓迎ですが。

なお、私は前々職の新聞社から戻ってこいと何度も言われていますが、戻るつもりはありません。そもそも、かつて楯突いた相手が役員になっているのですから、現場の同期や先輩が何と言っても戻れるわけがありませんし、日刊紙の記者をやる体力はもうありませんので。