電車の中の恋人

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校正記号

出版社や印刷会社にお勤めの方以外でも、校正記号というものを見聞きしたことがあるのではないかと思います。原稿を校正していて、間違っている箇所に赤ペンなど目立つ色で「トル」「イキ」など書いてあるものです。

私は学生時代に指導教授の著書の素読みをよくやっていたこともあり、特に誰かに教えてもらったり、本を読んだりしたわけではありませんが、何となく校正記号をごく普通に使っていました。それが正しかったかどうかは別として。

「トルツメ」という校正記号があります。文字を取って詰めるという意味で、基本中の基本ともいえるものですが、実を言うと新聞社に入ったばかりのころは分かっていませんでした。私はそれまで「トル」しか使っていなかったからです。

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よっぽどのものでなければ取ったら詰めるのが当たり前、そんなことはわざわざ言わなくてよいと思ってしまうものですが、言われたことしかやらないというオペレーターもいますし、言われていないからやらなかったと言われたらそれまでです。

実際に、文字を取って詰めない場合は「トルママ」「トルアキ」といった指示があるので「ツメ」という指示がなければ詰めないというのも理屈としては合っています。新聞社に入ったばかりのころ「トル」では「ツメ」てくれない制作部員がいたわけです。

togetter.com

ツイッターでバズっていますが、実はあまり笑えません。それ以前に、作業したのは制作会社や印刷会社のオペレーターだと思いますが、著者に戻す前に出版社の編集者がチェックしなかったのかと驚きます。

ちなみに、カタカナを使用するのは、校正の指示と修正の文字を区別するためです。例えば「爪→つめ」と開きたいのに詰めることだと勘違いしてしまうことを防ぎます。「ママ」というのは「そのまま」という意味で、決して赤ちゃんプレイをしているわけではありません、悪しからず。