電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

内定式

オフィス周辺できょう、リクルートスーツ姿の若い男女を何人も見かけました。通勤電車で聴いているFMで言っていた内定式に参加する学生のようです。オフィス周辺には株主総会などを開けるシティホテルがあるので、きっとそうでしょう。

新卒の3年離職率は相変わらず高いようですし、転職はもはや当たり前のものとなっています。入社を決めた会社に定年まで居続けることなど誰も考えていないのでしょう。新卒で入る会社は最初の踏み台とすら考えているかもしれません。

いまは某一部上場企業で人事課長を務める学生時代の友人は、内定式にきちんと出席してくれるかをしきりに心配していました。採用予定者数をクリアできて第一段階、内定式で第二段階、入社当日で第三段階の悩みがあるそうです。

これをクリアしても、入社から数日で辞める若者も少なくないとよく耳にしますし、友人の会社では3か月で辞めた若者がいたそうです。無事に入社するだけでなく、せめて数年間は残ってもらえるよう手厚いフォローが欠かせないと言っています。

時代は変わる

私が新卒時の企業は「いかに落とすか」しか考えておらず、難癖をつけて不採用にするのが当たり前でした。バブル崩壊と給与削減でストレスが溜まっていたのか、ストレスの捌け口として圧迫面接をしているような人もたくさんいました。

時代が違うと言われればそれまでです。しかし、そんなひと言で片付けられる問題ではありません。生まれる年がほんの少し違うだけで一生が決まってしまう新卒一括採用の仕組みは歪んでいますし、変えていく必要があります。

それでも就職氷河期世代はもう手遅れです。非正規の人はこれからもずっと非正規でしょうし、正規雇用を得られる人などほんの一握りでしょう。文句を言っても何も変わりませんが、就職活動シーズンなどに入るといつも不公平感を覚えます。

黒のスーツなのに真っ白の靴下を履いていたり、ネクタイが少し曲がっていたり、それぐらいで「お帰りください」と言われて会社説明会や面接を受けさせてもらえないことなどザラでした。きょう見かけた若者の中にも、就職氷河期だったら不採用だっただろうと思う人がいました。

「昔は大変だったんだぞ」と自分の苦労を語って若者に嫌われる典型的なオヤジにはなりたくないと思いつつ、どうしても語らずにはいられない夜です。いまの学生は本当に恵まれています。これを当たり前と思ってはいけません。