電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

伝説の白木屋コピペ

今朝の横浜は雨でした。昨夜はクーラーをつけっぱなしだったので部屋の中は快適、気持ち良く目覚めたのですが、外の様子を見ようと窓を開けた瞬間、猛烈な湿気が押し寄せてきました。

きょう休もう…。

今週は出社してやるほどの仕事がなく、むしろ夏休みを消化しろと言われていたぐらいだったので、雨滴を見た瞬間に一気に出社する気が失せたわけです。

法的に定められた有休とは別に、夏期休暇が5日間あります。先月に1日だけ休んだものを夏期休暇として申請したので、夏期休暇はまだ3日間も残っています。

これは法的に強力に守られている正社員だからできることです。フリーターや契約社員(一部)では休んだら給料がもらえません。雨が降っていたから休むなど、通常は考えられないでしょう。

ネット上で伝説となっている「白木屋コピペ」なるものがあります(長いのでページ下部)。真偽はよく分かりませんが、超就職氷河期世代としては、決して他人事と思えない切実なものを感じます。

1990年代半ばから2000年代半ばに社会に出た人の中には、単に正社員として就職できなかった人のほかに、ガムシャラに働くサラリーマンになりたくないとフリーターになった人も多くいます。

メディアもわざわざ有名俳優を起用してフリーターを題材にしたドラマを作るなど「フリーターはカッコイイ、オシャレな生き方」として若者の間で認知されるよう仕向けていました。

お金が貯まるまでバイトして、お金が貯まったら仕事を辞めて海外旅行など遊びにいって、お金が無くなったらまたバイトして稼げば大丈夫、問題ない!

「夢のフリーター!」といったキャッチフレーズで、あらゆるメディアで特集が組まれていました。私の高校の同級生でもフリーターになった奴がいて、当時は景気の良い話を聞きました。

大卒正社員の初任給が20万円で手取りは17万円ほどしかありませんが、フリーターであればフルタイムで新卒の年齢で30万円はもらえます。まさにフリーターはカッコイイわけです。

しかし、正社員は毎年昇給していくのに対し、非正規などのフリーターは昇給という概念もなければ、ボーナスという制度もありません。あっと言う間に追いつかれ、後はじわじわと逆転されるのみです。

当時の高校の同級生はいま、音信不通です。私が就職してから何度か連絡しましたが、返事がこなくなりました。いまでは年に1~2回、思い出す程度です。

仕事がある、有休がある、夏期休暇がある、休んだとしても出社したものとして給料をもらえる…世間一般では当たり前のことですが、実はとても幸せなことです。

お盆だから休めるということがいかに幸せなことであるか、痛感しています。

【伝説の白木屋コピペ】

なあ、お前と飲むときはいつも白木屋だな。
一番最初、お前と飲んだときからそうだったよな。
俺が貧乏浪人生で、お前が月20万稼ぐフリーターだったとき、
おごってもらったのが白木屋だったな。
「俺は、毎晩こういうところで飲み歩いてるぜ。金が余ってしょーがねーから」
お前はそういって笑ってたっけな。

俺が大学出て入社して初任給22万だったとき、
お前は月30万稼ぐんだって胸を張っていたよな。
「毎晩残業で休みもないけど、金がすごいんだ」
「バイトの後輩どもにこうして奢ってやって、言うこと聞かせるんだ」
「社長の息子も、バイトまとめている俺に頭上がらないんだぜ」
そういうことを目を輝かせて語っていたのも、白木屋だったな。

あれから十年たって今、こうして、たまにお前と飲むときもやっぱり白木屋だ。
ここ何年か、こういう安い居酒屋に行くのはお前と一緒のときだけだ。
別に安い店が悪いというわけじゃないが、ここの酒は色付の汚水みたいなもんだ。
油の悪い、不衛生な料理は、毒を食っているような気がしてならない。
なあ、別に女が居る店でなくたっていい。
もう少し金を出せば、こんな残飯でなくって、本物の酒と食べ物を出す店を
いくらでも知っているはずの年齢じゃないのか、俺たちは?
でも、今のお前を見ると、
お前がポケットから取り出すくしゃくしゃの千円札三枚を見ると、
俺はどうしても「もっといい店行こうぜ」って言えなくなるんだ。
お前が前のバイトクビになったの聞いたよ。お前が体壊したのも知ってたよ。
新しく入ったバイト先で、一回りも歳の違う、20代の若いフリーターの中に混じって、
使えない粗大ゴミ扱いされて、それでも必死に卑屈になってバイト続けているのもわかってる。
だけど、もういいだろ。
十年前と同じ白木屋で、十年前と同じ、努力もしない夢を語らないでくれ。
そんなのは、隣の席で浮かれているガキどもだけに許されるなぐさめなんだよ。