電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

タバコはカッコイイもの…だった

少し重い内容のミーティングだったせいか、無性にタバコを吸いたくなっています。新聞記者時代は周りがみんな喫煙者で、胸倉掴んで激論した後でもみんなで笑いながら一服していたっけ。

私が新卒で入って初めて配属された支局はまだ机の上に灰皿が置かれ、くわえタバコで原稿を書いていました。本社や総局では分煙化が進んでいましたが、数人しかいない出先の支局はまだ緩々でした。

みんな机の上に資料を山積みし、下のほうを上手く抜けるか崩れるか、毎日がジェンガでした。そんな紙の資料の横に吸いかけのタバコを置いておくなど、いまとなっては危険なことをしていたものです。

初めての上司は「寝ている間も無意識に吸っているんじゃないか?」と思われるほどのチェーンスモーカーで、消しては吸い、消しては吸い…を繰り返す人でした。いまは何をしているのか。

ただ、右手に赤ペン、左手にタバコを持ち、頭を抱えるように原稿をチェックする姿がとても格好良かったことをいまだに覚えています。決してイケメンではありませんでしたが、妙に様になっていました。

カッコイイものだった

そう、タバコはカッコイイものでした。松田優作、勝新太郎、海外ならハンフリー・ボガートなど、カッコイイ男とタバコはセットでした。私が吸い始めた理由も「カッコイイから」です。

しかし、価値観は時代によって変わります。かつてはカッコイイものだったタバコも、いまは格好悪いものとなってしまいました。格好悪いどころか極悪人扱いされています。

松田優作や勝新太郎、ハンフリー・ボガートなどが、IQOSやglo、プルームテックを吸っている図は想像できませんし、様になりません。擬態シールを貼ったgloをチューッと吸っていたらドン引きします。

格好良く吸うことが目的であって、ニコチンを補充できればよいわけではありません。紙巻きは自他ともに有害で、格好良く吸えなくなりつつあります。それならすぱっとやめるのがよいと思います。

タバコと思い出

以前にも書いたように、タバコは思い出と密接に結び付いています。いまもミーティング後の一服を思い出し、朝から晩まで駆け回っていた日々を懐かしく思い出しました。

そんな時代を全否定している・されている気持ちになり、寂しく思うときもありますが、時代の流れは残酷です。タバコは消えていかなければならない運命にあるのだろうと思っています。

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