電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

破戒

書棚に筑摩書房の世界文学全集と日本文学全集があります。このほか、バルザックやスタンダール、ドストエフスキー、夏目漱石、芥川龍之介など、著名な作家の全集もひと通り揃っています。

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きょうは書棚に並ぶ書籍の背を目をつぶって指でなぞり、何となくで指を止めたところの書籍を読もうと思っていました。つつつーっと指を滑らせ、指を止めました。

島崎藤村『破戒』

新年早々、重苦しいものを選んでしまいましたが、そういえば先日、はてなブックマークでいまだに被差別部落問題に悩む若者のインタビュー記事を見かけて気になっていたところです。

被差別部落問題に対する感度は地域によって千差万別です。神奈川県で生まれ育った私にとっては「被差別部落問題って社会の時間に聞いた程度で、いまはないんでしょ?」という程度のものです。

しかし、いまだに大きな問題となっている地域がありますし、差別に悩む若者や啓発活動に励む人々がいます。決して過去の問題ではありません。

過去の問題どころか、在日朝鮮人の方々に対するヘイトスピーチに影響され、良くも悪くも差別という概念に注目が集まり、日本古来の人種差別である被差別部落問題も意識されるようになっています。

これについては、ブログなどでさらっと書けることではありません。書き始めると膨大な論文のようになるはずですので、私の考えと理由だけ示しておきます。

被差別部落問題について、これを明らかにして正しい知識を与えることが問題解決に繋がるという考えと、何も触れずに忘れさせること、いわゆる“寝た子を起こすな”という考えが唯一の解決法だとする2つの意見があります。

私は後者の立場です。知らないなら知らないままのほうが誰にとっても幸せです。正しい知識を与えれば差別はなくなるだなんてきれい事です。

いまはネットで少し調べるだけで日本全国の被差別部落がすぐに分かります。神奈川県内はもちろん横浜市内にもあります。

その地域はいま、何の変哲もないごく普通の街です。ネットに載っていなければ、誰もそこがかつて被差別部落だったなど気付きません。

しかし、そこが被差別部落であったことを一度でも知ってしまうと、心にしこりが残ります。特に、自分のルーツがそこにあったと知ったときの複雑な気持ちはなかなか伝わらないでしょう。

人はなぜ、人の上に立ちたがるのか、人より優位になりたがるのか。1年間で考えるテーマにしては大きすぎますが、見栄と虚栄心が渦巻く外資で働く上で良いテーマかもしれません。

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そういえば今日、ようやく近所の神社に初詣にいきました。小吉…微妙。