電車の中の恋人

悠々自適なアラフォー独身貴族の日常

公務員から民間への転職は可能か?

「実はいま転職活動してるんだけど、まったくダメでさ。ちょっと相談に乗ってもらえないか」― 学生時代の同期から久しぶりに連絡がありました。

彼は大学を卒業後、地方公務員をずっと続けています。私と同じく1浪して大学に入ったので今年41歳です。公務員から民間への転職を希望しています。

「無理じゃね?」という言葉が出かかりました。転職エージェントなど日々、転職市場をウォッチしているプロなら需要を知っているのかもしれませんが、自分の経験からは不可能にしか見えません。

公務員、民間問わず、日系企業はまだまだ就社の意識が根強く残っています。新卒で入社してから各部署を数年ずつ経験することで会社全体を理解していくというものです。

公務員はまさにこれの典型例でしょう。2~3年ごとに異動して公務の全体をよく知り、年功序列で上がっていきます。さまざまな業務を広く浅く経験していくことを重視します。

同期は実際、都市計画を皮切りに市税、下水道、福祉と異動を繰り返し、現在は保育を担当しているそうです。字面にすると専門が何なのか、まったく分かりません。

ただ、その自治体のエキスパートとしての道は順調に歩んでいると思います。まちづくりからその基となる税金、市民と接する最前線の福祉まで経験すれば、分からないことは少ないはずです。

1企業ではなく1業種のエキスパートであること、よく言われる専門性というものがないと40代での転職はほぼ不可能です。40代に限ったことではありませんが、20代や30代と比べて特に重視されます。

働き方改革の議論を聞いていると「ジョブ・ディスクリプション」という言葉が度々出てきます。自身がやるべき仕事を明確にするもので、簡単に言うと「これ“だけ”極めろ」と指示されることです。

海外では当たり前の考え方ですし、日本にあっても外資であればもちろんあります。例えば、私のジョブ・ディスクリプションは編集で、営業や総務に移ることなどありません。

また、前職でのジョブ・ディスクリプションは書籍編集で、書籍出版事業を廃止するということは私の仕事がなくなるということであり、ほかのことをやる契約ではなかったのでクビ宣告を受けたわけです。

この辺を書き始めると脱線するのでまた別の機会に書くとして、同期にはジョブ・ディスクリプションがありません。しかし、公務員はそれを求められていないので、何の問題もありません。

技術職ならともかく事務方で何かに突出した能力はむしろ邪魔になるのではないかと思います。減点されないようほどほどに働くのが良い公務員だと以前、同期自身が言っていましたし。

とりあえず転職エージェントに登録して情報収集を勧めましたが、すでにそれはやっていて、求人がまったく紹介されないので藁をもすがる思いで友人に聞いているそうです。

転職エージェントから、何がご専門なのか分からないので企業様に推薦しにくい、と言われたそうです。地頭は良いのでいざやってみたら何でもできると思いますが、転職となるとなかなか難しく。

ちなみに、同期の奥さんも同じ役所で働く公務員です。明日をも知れぬ外資なんかにいると羨ましい限り、辞めたいだなんて信じられませんが、思うところは人それぞれです。

公務員は、犯罪でも犯さない限り定年までの道が見える数少ない世界です。辞めずに続けたほうがどう考えてもよいのですが、隣の芝生は青く見えるというやつです。

◆最近、タバコが吸いたくなるとつぶやいています → ずずず (@wakabkx) | Twitter