電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

希望条件にこだわりすぎることなかれ

転職はどうしても条件にこだわってしまうものです。

40代で初めてということであれば自分がやりたいことで高待遇と特にこだわってしまいますが、それが20代であっても30代であっても、2回目であっても3回目であっても、こだわりは捨てられません。

転職エージェントや転職サイトではよく「現状にこだわりすぎず」「幅広い業種・業界を」とアドバイスします。一握りのスーパー求職者以外は転職が難しいことをよく分かっているからです。

「ワンランク上のキャリア」「年収200万円アップ」など転職で人生バラ色になると謳う求人広告をよく目にしますが、これは幻です。転職活動したことがある人ならよく分かると思います。

生活レベルを上げるのは簡単ですが、一度上がったものを下げるのはとても難しいことです。「贅沢言うな」と思う人が多くいますが、人間ですから仕方ありません。

生活レベルを下げるだなんてとんでもない、もっと上げたいから年収も上げたい、かといって金のためだけに働くなんて無理、これまでの経験を活かせるやりがいのある仕事がしたい。

当然の言い分であり、誰に責められるものでもありませんし、私も初めての転職のときはそう思っていました。ただ「現実は厳しいよ」と過去の自分を含め、転職を考えているすべての人に伝えたいです。

例えば、私が今回の転職でこだわったのは「文章に関わる仕事がしたい」ということだけです。年収は現状維持であれば御の字で少しぐらい下がっても構いませんでしたし、福利厚生などもこだわりませんでした。

また、文章に関わることができさえすればよかったので、出版社にこだわらず、一般企業の内部の制作部門にも応募しました。さらに紙媒体にこだわらずウェブまで広げました。

会社案内などのパンフレットや関連サイトなど、一般企業でも意外と多くの媒体を制作しているものです。版元の書籍編集者だけにこだわっていたら気付かなかったであろう求人が多くありました。

結果として、業界はまったくの未経験ですが文章に関わる仕事に就けました。しかも、制作するだけでなく自分で書くこともできます。私の根っこはエディターでなくライターなのでこれはとてもありがたいことです。

年収が大幅にアップしたり、福利厚生が抜群だったりしたことは単なる偶然です。そこにこだわらなかったことが逆に良かったのかもしれません。すべては縁とタイミングです。

くどいようですが、転職でさまざまな条件にこだわってしまうのは当たり前のことです。こだわり続けるのも選択肢の1つですから、そのまま信念を曲げずに突き進んでください。

ただ、少しでも迷いが出ているのであれば、試しに希望を1つだけ減らしてみたらどうでしょうか。それだけで選択肢が格段に広がります。本当にびっくりするぐらいです。

条件にこだわりすぎてなかなか決まらず精神的に追い詰められ、転職の目的を見失ってしまい、よく分からないままとりあえず内定が出たところに入ってすぐ辞めるということだけは避けるべきです。実際、よくある話ですし。

転職エージェントに説明されるだけでは分かりにくいと思いますが、こういう実例が1つあります。そうはいっても家庭があったり親の介護があったり、条件にこだわらざるを得ない実情もあるわけですが。