電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

日芸

「私は日芸ですから」― 日芸とは日本大学芸術学部のことです。職場の同僚に日芸出身者がいるのですが、日大の話題になると自分は日芸であることを強調します。

その気持ちは分からないでもありません。日芸は日大の中の1つの学部ではなく、日芸という1つの大学のようなイメージがあります。少なくとも日大の他学部とは別物です。

かくいう私も日芸を受験しました。母校に合格したのでいきませんでしたが、母校が不合格だったらいっていたかもしれません。同級生が日芸にいきましたが、なかなか面白かったそうです。

私大の入試科目といえば国語と英語、社会(日本史・世界史・地理など)が基本ですが、私の母校と慶応の文学部、日芸は小論文がありました(あくまでも当時の話です)。

小論文は正答がありません。キレイな文章であっても中身がなければ不合格ですし、逆に読みにくかったとしても強烈な個性が現れていれば合格になりえます。

原稿用紙2~3枚の文章であっても個性は現れるものです。人材採用の際、下手に10~20分の面接をするよりも文章を書いてもらったほうが人となりはよく分かるとすら思っています。

ただ、採点する側は大変です。通常の試験なら機械的に採点できますが、小論文は1つひとつ読み込まなければなりません。数百人、場合によっては数千人分のものを読むことになります。

それでも小論文を課すということは良い学生に入学してもらいたいという気持ちの表れです。私の母校も日芸も良く言えば個性が強く、悪く言えば変人が集まっていました。

先ほども「だから私は日芸です」と訂正していました。正直言ってどうでもよいのですが、ここは譲れないようです。あちこちで似たようなやり取りが繰り広げられているかもしれません。