電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

Black Or White

私はこれまで裁量労働制でしか働いたことがありませんし、それに対して何の違和感を持ったこともありません。私の仕事は専門業務型裁量労働制というものです。研究開発、出版事業の取材・編集、システムコンサルタント、弁護士など19業種にだけ許可されているものです。

新聞記者にしろ編集者にしろ、労働時間を明確に示すなど不可能です。新人記者の通過儀礼であるサツ回り(警察署に詰めて事件発生時にすぐ対応する)をやっていると昼も夜もありません。夜討ち朝駆けと呼ばれる、重要な人物が出勤する前と帰宅後にオフレコで取材することを始めてしまえば、リアルで「24時間働けますか?」の世界に突入します。

また、出版社の業務も校了直前は徹夜ですし、休日に書店に行って売れ筋の本を目にして新刊のアイディアが浮かぶことがあり、これを労働時間と見なせるのか、よく分かりません。研究開発職も似たようなものではないかと思います。定時で仕事を終えて家に帰り、寝ようと思ったところである画期的なアイディアが思い浮かんでしまうというのはよくあることでしょう。

新聞社や出版社が裁量労働制を廃止し、忖度や持ち帰りを絶対に認めず、本当に仕事をした時間を賃金に換算したら、時間外労働代だけであっという間に破産するでしょう。

「なにその超絶ブラック。信じられないんだけど」といまの若者は言うでしょう。しかし、お金には換えられないやりがいがあったから続けられましたし、時間外労働代など考えたこともありませんでした。ただ、身体的にも精神的にも辛かったことは事実ですし、現にアルコール依存症になってしまいました。正しい働き方とはいえませんし、変わらないといけないと思っています。

2回の転職を経てようやく変わりつつありましたが、在宅勤務に移行してから、昼も夜も、オフィシャルもプライベートも関係なく、ブラックなのかホワイトなのかも分からない状況になってしまいました。仕事は好きですが、いくらなんでも限度が必要だと思うわけです。

この後、午前1時にアップされる予定のゲラに備えます。

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