電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

趣味として音を楽しむ

先日、Twitterにつぶやいたことなのですが、メジャーデビュー済みのあるミュージシャンのバックバンドのベーシストに声がかかりました。名前を挙げたらそこそこの人が知っているはずで、プロを目指している若手だったり、私のようにプロになるつもりがないサラリーマンだったり、意外性があるミュージシャンを発掘するのが趣味のようです。実際、彼に見出されてデビューし、いまは売れっ子になっているミュージシャンも少なくありません。

新たな獲物を探していたそうで、プロミュージシャンとして活躍中の私の学生時代の先輩に聞いたところ、先輩は私を紹介したとのことです。そして、YouTubeにアップしてある私のプレイ音源・映像を見た上で、声をかけてきたわけです。1度スタジオで合わせてみようとは言われましたが、音源と映像に加え、先輩の口利きも加わっているので、私が「よろしくお願いします」と言えば決定だったようです。

結論から言うと、過去形で書いていることからも分かるように、お断りさせてもらいました。とても興味がありましたが、最初の仕事がすでに決まっている地方ツアーへの参加で、当然、サラリーマンをやめなければいけません。怖いもの知らずの20代であれば即受けていたはずですが、40代ともなるとさすがに即断できません。

これがまず都内でレコーディングからであれば、試しに二足のわらじで始めてみて、何だかイケそうな気がしてきたら会社を辞めるという、セコイ手もありましたが、すべて放り出していまからプロミュージシャンになるには酸いも甘いもかみ分けすぎてしまいました。もしものことが常に頭から離れず、守りに入ってしまったわけです。

それに冷静に考えたところで私はプロの器でもありません。私より上手く、熱意を持ったベーシストは山ほどいます。私なんかよりそういった人たちがプロになってしかるべきですし、私が断った後にすぐ決まったそうなのですが、先輩曰く「あんな上手いベーシストが何でいままで埋もれてたんだ」というほど超絶上手いベーシストがいたそうです。

私はやはり週末に小さなライブバーで演奏し、みんなでゲラゲラ笑いながらビールをキューッと飲み干すような、そんな趣味としての音の楽しみ方が向いているようです。