電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

銀行の窓口に行く用事があまりないような…

ものすごく久しぶりに銀行の窓口に行きました。直近で行ったのはいつだったか…と思い出そうとしたところ、いまのメーン口座を開いたときかもしれません。そうなると大学2年生(21歳)のとき以来なので約20年ぶりになります。

銀行の窓口でないと足せない用というのは、ふと考えてみると意外とありません。引き出しや預け入れはATMで済みますし、それもいまはネットバンキングで事足りますし、そもそもクレジットカードで済ますことが多いのでATMに寄ることすら少なくなっています。

ちなみに、きょうわざわざ窓口まで行ったのは、届出印を変更するためです。いまどき口座振替で対応しなければならないことが出てきたのですが、約20年前に口座を開いたときの印鑑など分からなくなり、この際、変えてしまおうと手続きに行きました。

これはさすがに窓口で行員とやり取りする必要があります。行員が窓口で対応してくれる自宅から最も近い店舗を調べてみると…2度目のびっくりです。横浜市の中心部ですが、1件しかありませんでした。

メガバンクの1つです。かつては主要駅前に有人の店舗を必ず構えていたような銀行です。試しに以前、住んでいた場所の店舗も調べてみましたが、有人ではなくなり、ATMのみになっていました。

メガバンクをはじめとして、金融機関では軒並み人員削減が進んでいます。事務作業をソフトウェアに覚えさせて自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」技術によって業務を効率化し、生身の人間をいかに減らすかという時代になっています。

私は金融機関の業務を知りませんが、何となく想像するのが、作業としては難しくないものの絶対に間違えられないから何人もの目を通す“機械的な”ことです。こう考えるとまさに機械で代替できることであり、実際に代替されつつあるのだろう、と。

新卒の就職活動時、メガバンクから内定をもらった友人やサークルの先輩が何人かいました。超就職氷河期だったころにメガバンクなど超絶勝ち組です。一生安泰とまではいかないものの、しばらくは将来のことをそれほど深刻に悩まなくてもよい身分でした。

しかし、そのときの友人や先輩で銀行に残っている人は誰もいません。みんな3~4年で転職していきました。私の親世代であれば、メガバンクはもちろん、地銀であっても、就職できたら一生安泰だったはずですが、いまやそんな時代ではなくなりました。

ただでさえ機械化が進んで対面による対応を減らしていたところに新型コロナウイルス感染症が加わり、銀行の有人対応の縮小速度は一気に加速したのではないかと思います。来年の今ごろ、行員が対応してくれる銀行の支店はどれぐらい残っているのでしょうか。いま、これまでの価値観が大きく変わりつつある場に直面していることを実感します。

私はいまのところ無事に生き残っていますが、3か月後にはどうなっているか分かりません。久しぶりに銀行窓口で対応してもらっているときに、自分の将来に強烈な不安を感じたわけです。もう退職合意書は見たくないじょ…。

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ところで、用を足しに行った有人店舗が昔の職場の近くで、帰りに久しぶりに横浜市民の心の拠り所「味奈登庵(みなとあん)」(蕎麦屋)で大盛りと穴子天、キス天を食してきました。取材の合間に大盛りを5分で食っていたことを思い出しつつ、外資の荒波に揉まれているいまの自分を不思議に思うわけです。

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仕事帰りによく寄り、いつの間にか出演する側になっていた老舗ジャズバーも明日から営業を再開するようです。