電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

匿名の悪意をぶつけられるとなかなか応える

芸能人でも有名人でもない小市民の個人ブログであっても、ウェブ上で制限などかけず公開にしている以上、ごくたまに匿名の悪意をぶつけられることがあるわけで、経験者でないと分かりにくいと思いますが、かなりキツいです。

相手にしないとか無視するとか、頭では理解できるのですが、いざそういう事態に直面すると想像以上に凹みます。私の顔や名前、人となりなど何も知らない人間にいきなり「○ね」と言われるのはなかなか応えます。

前職で派遣の編集アシスタントさんが急に来なくなったことがありました。時給を上げて欲しいと少し前から言われ、色々と調整して上げられることになり、あとは人事と派遣会社、アシスタントさんで契約書を交わすだけでした。

私の役目は時給アップの承認を上司にもらうこと、派遣会社と契約書を交わすのは人事の仕事、さらにアシスタントさんと契約書を交わすのは派遣会社の仕事です。アシスタントさんには「上げられますから」と伝えてありましたし。

契約書を交わす前に契約期間が満了になったので、何も言わずに来なくなるのは常識的にどうかと思うものの仕方ありません。契約書を交わしていなかった人事と派遣会社のミスです。

ただ、このことを書いたら「お前が悪い」「こんなヤツから逃げられて派遣さん良かったね」など、読解力がまったくない人々からの書き込みが集まり、ついには「○ね」とまで書いてくる人が現れました(そのときのスクショ ↓)。

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見ず知らずの人間に「○ね」と書き込める心理がまったく理解できませんし、理解できないのですから相手にする必要もありませんが、それでもいきなり悪意をぶつけられると「うぐぅ…」となります。

ウェブ上で匿名の悪意を目にしたとき、私がいつも思うのは「それを面と向かって言えるか?」ということです。初対面の相手にいきなり「お前」と言えますか?まず誰も言えないでしょう。そして、言えないのであれば書くべきではないと思います。格好悪いから。

自分が同じことをされたらどう感じるかを理解できず、なぜか分かりませんが「自分は絶対に正しい」と思い込んでいる人が増えているように思っていたところ、脳科学者の中野信子さんが仰っていたことに納得しました。

「自分は絶対に正しい」「あいつは叩かれて当然だ」と思ったが最後、強い怒りや憎しみの感情が湧き、知りもしない相手に攻撃的な言葉を浴びせてしまう。いわゆる炎上や不謹慎狩りは、その典型的な例だといえます。

ときには相手を社会的に抹殺するまで続く残酷な行為ですが、そうなっても正義を遂行した側というのは、自分が悪かったとは思わない。正しいことをしたとずっと思い続けるんです。

www.mylohas.net(最終アクセス:2020年5月25日)

営業を自粛しない飲食店に対して嫌がらせのビラを貼るなど「自粛警察」なる動きをニュースで目にしましたが、根本には「正義中毒」という依存症状があるようです。そして、それは人を駆り立てる、と。

物事の考え方や価値観が大きく変わるであろう今後、正義中毒に陥ってしまい、他人を攻撃することにしか生きる意味を見出せなく人が増えてくるでしょう。ただ、これは決して他人事でなく、私自身も陥る可能性があるはずです。

正義中毒を発症してしまいそうになったとき、私にぶつけられた匿名の悪意を見直し、自分はこうならないよう気をつけます。