電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

父と息子

父と息子は、親子であると同時に男同士でもあります。それでも学生だったり父の庇護の下にいるなら上下関係のようなものがありますが、親元を完全に離れ、息子が自分1人で生きられるようになると、父は息子を男と見なします。

親子間に上下関係というのも変なものですが、これが適切な表現なのです。ドラマや映画で「俺を越えていけ」と父が息子に言う場面がありますが、現実は異なります。父にもプライドがあり、息子に越えられたくないわけです。

9月末に親父が大腸ポリープの手術をし、もちろん常に頭の片隅で心配しつつ、顔を出すことを控えていました。手術後の週末に実家に行こうとして電話したところ「お前にはお前の生活があるからわざわざ来るな」と言われました。

姉貴に連絡したところ、顔を出すということで任せましたが、案の定、私にはピンピンしていると伝えるよう言っていたそうです。親父と姉貴は、男親と娘なので少し関係性が違います。その分、母親と姉貴は色々とあるわけですが。

手術から1か月が経ち、そろそろ顔を出してもよいだろうと思い、昨日は実家に行ってきました。親父は少し痩せたものの、とりあえずごく普通の日常のようでした。私には「おぅ」と言っただけでしたが。

私は私なりに父を心配しています。ただ、その気持ちをストレートに表すと親父のプライドを傷つけるわけで、とても気を遣っています。「大丈夫か?」と素直に聞きたいと思いながら「ピンピンしてんじゃん」と悪態に近い言い方をしなければなりません。

面倒くさいと思いつつ、息子の前ではいつでも強い父であろうとする親父に頭が下がります。男としての理想であり、目標でもある親父には、いつまでもプライドを持ち、元気でいてもらいたいものです。

俺はあんたの息子で良かったぞ。