電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

新卒の同期

中学生から高校生、高校生から大学生になるとき、価値観が変わりますが、それでも学生という大枠は同じで、自分の根っこにあるものは変わりません。しかし、大学生から社会人(高校生から社会人)になるとき、自分の根本が大きく変わります。学生から社会人への移行は、それまでの価値観をまったく別物にするほどのものです。

それほど衝撃的な変化のタイミングを共有するのが新卒時の会社の同期であり、だからこそ強い絆が生まれます。新入社員のころ、上司に怒られ、先輩に怒られ、取引先に怒られ、朝早くから夜遅くまで働き、ヘトヘトでも大学の講義のように簡単にサボることもできず、重い身体を引きずって出社していました。

同期はみんな配属先が異なりましたが、2~3か月ごとに会って話せばみんな同じような毎日でした。「自分だけじゃないんだ」「あいつも同じなんだ」と思ってお互いにがんばれました。しかも、新卒は人生で1回しかありません。そんなときに、ほぼ同い年の若造たちが同じ苦労を共有すれば、絆が強くなって当然です。

私が新卒で新聞社に入ったのはもう18年前ですし、私を含めて半分は転職していますが、それでもそのときの同期といまだに年1回は集まっています。いつも同じ当時の苦労話で盛り上がり、気分は1年目のころにすぐ戻ります。細かいことでもよく覚えているのは、それだけ衝撃的で、忘れられない時間だったということです。

同期という概念は、新卒一括採用がある日本だけのものです。もちろん、海外でも同じ時期に入社する人はいますが、年齢やキャリアが違いますし、周囲はみんなライバルですから、仲間としての強い絆など生まれません。この点は日本の新卒一括採用の良いところではないかと思います。

サラリーマン歴も18年となり、2度も転職して3社目となってしまいましたが、どれだけ経験を積んでも辛いときがあり、そんなときにはふと同期のことを思い出してしまうものです。