電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

時が化ける

風雨で海が荒れることを「しけ」と言いますが、漢字で「時化」と書きます。「湿気(しっけ)」を活用させた「湿気る(しける)」の当て字で、曇ったり雨が降ったりするところから海が荒れる意味になったそうです。しかし、私はまったく違うことだと思っていました。

「時が化ける(ときがばける)」と書くので、大荒れの日に海に出た船がぐわんぐわんと揺られて漁師の時間・空間感覚がぐちゃぐちゃになるという意味だと思い込んでいました。イメージとしては、ドラえもんのタイムマシンに乗っているときの周りの景色みたいな感じです。

誰が当てたのかは分かりませんが、この言葉選びのセンスには感動しました。学生時代に『宙の名前』という書籍と、この一連のシリーズが大好きで、日本語の表現力の深さを知るきっかけになりました。このシリーズを取っ掛かりにして大量の書籍を読み込み、素敵な言葉を見つけるたびにメモしていました。

都内は午後2時ごろに雨が降り始め、いまは止んでいます。風もまだ強くなっていません。ただ、空気がじっとりと重く、かなりの湿度であることが分かります。帰りが遅いとスーパーはまたすっからかんでしょう。時が化ける前に早めに帰りましょう。