電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

重版出来

書籍棚とは別にマンガ棚があるぐらい、私はマンガが好きです。

「いい歳したオッサンがマンガ w」と言われそうですが、書籍編集者になってから書籍を読めなくなり、それでも活字に触れたいというところからきた苦肉の策です。

もちろん、子どものころから好きだったということもあります。初恋は『うる星やつら』のラムちゃんです。書籍編集の仕事を始めてから、マンガ熱が一層、上がりました。

今日は起きたら昼すぎでした。土曜日の午後も空いている病院が近所にないため、仕方なく市販薬を買いに行き、ベッドでゴロゴロしながらゆっくりマンガを読んでいました。

マンガ棚を眺めて手に取ったのは『重版出来!』です。新人のマンガ編集者のお話で、ドラマ化もされたのでご存知の方も多いと思います。

重版出来! | 書籍 | 小学館

出版社の現実を知っている人間としては所詮、マンガだと思います。書籍編集部の解体という憂き目に遭った私は特に強く感じます。現実はそんなに上手くいかない、と。

しかし、それでも心を動かされる自分、「もう一度、書籍の編集をやってみたいな」と思う自分がいます。夢物語だとバッサリ切り捨てるほど荒んでいないようです。

いまも編集の仕事をしていますし、自分がやりたいようにやらせてもらっています。自分好みの編集部を作ってよいなど、編集者として恵まれた環境だと思います。

オフィスのデスクにこれまで企画・制作に携わった書籍を数冊、置いています。どんな書籍を作ってきたのか挨拶代わりであると同時に、自分が書籍編集者だったことを忘れないためです。

ただ、それを見るたびに書籍編集部の解体が決まった日のことや去っていった仲間のことを思い出します。傷が癒えるのはまだ当分、先になりそうです。