電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

退職エントリー

「退職エントリーを書いていただけないでしょうか」— 転職情報サイトの運営者を名乗る人物からメールが届きました。Google先生に教えられてたまたま私のブログを見つけたのでしょう。

退職エントリーとは読んで字のごとく「○○を退職しました(そして○○に“ジョイン”します)」というタイトルで、前職への感謝や学んだこと、実績、今後の夢などをまとめたものです。

他人の退職と転職は多くの人の関心事です。次が決まっているのであれば行き先や条件などが気になりますし、決まっていなければ“人の不幸は密の味”のごとく優越感を覚えるのでしょう。

とはいえ、退職エントリーを書くということは次が決まっていて精神的に余裕があるということです。起業したり、フリーになったり、収入面に一抹の不安があったとしても夢や希望はあるはずで、密を味わえることはまずありません。

なお、私は退職エントリーなど書きませんし、上記の依頼はお断りしました。転職活動でやったことであれば誰かの役に立つかもしれないので書きますが、退職エントリーのような自慢話を書く気にはなりません。

退職エントリーの要は前職と現職の具体的な社名です。これがあるから人目を引くわけで、伏されていたら「あっそ」で終わります。そして私はどちらも書けません。確実に身バレしますし。

辞めるということは何かしらの不満があるからですし、読み手はそれを求めています。辞めたからといって不満を赤裸々に書くのは気が引けますし、前職の業務に影響が出る可能性があります。

私の退職理由はクビ宣告です。「社員をいきなりクビにするような会社」ということが知れ渡れば、日本での立場が弱い前職だと日本撤退→全員クビという事態があり得ます。

また、前職の不満をぶちまけると現職にも影響が出るはずです。ウェブ上で会社の内情を暴露する社員がいると思われることはマイナスですし、法に触れることもあるのではないかと思います。

そもそも、私は退職エントリーが苦手なのです。実績や成長の過剰アピールからにじみ出る意識高い臭のせいですぐお腹いっぱいになります。「前職には感謝しかありません」とか書かれていると色々とツッコミたくなりますし。

つまりは「嫌なら読むな」というところに落ち着くわけです。分かりました、嫌だから読みませんし、嫌だから書きません。いい歳して意識高い系を気取るなど恥ずかしすぎますから。