トロトロ牛スジカレー(仕込み編)
「ずずずさん、この前のお礼によかったらどうぞ」― 今朝、洗濯物を干しているとマンションのオーナーさんが来て、前沢牛のスジ肉をおすそ分けしてくれました。「この前のお礼」とは花菖蒲を生けてあげたことです。
wakabkx.hatenadiary.jpマンションのオーナーさんは顔が広く、あちこちから色々なものをよくいただいているようです。「この辺の顔役のような感じなのかも」と思うのですが、深く詮索する必要はありません。
ふとしたきっかけから私が古流いけばな師範の免許を持っていることを知り、それ以来、生けてあげたり教えてあげたりしています。そして、そのお礼に高級肉や大トロなどをくれるわけです。
母よ、私に生け花を仕込んでくれてありがとう。“芸は身を助く”を実践しているよ。ただ、おかげで舌が肥えてしまい、食費がかさむようになってしまったが。
さて、スジ肉です。普通はスジ肉をもらってもさほど嬉しくないでしょうし、オーナーさんも私以外にはあげないでしょう。とにかく調理が面倒くさいのです。
しかし、手間ひまをかければこれ以上ないほど美味しいものになりますし、オーナーさんも私もスジ肉が大好きです。時間がある日曜日の午前中に持ってきてくれるのも調理を分かっているからです。
作ります。
醤油で煮込んで和風にしようかビーフシチューにしようか迷いましたが、久しぶりにカレーを作ることにしました。トロトロの牛スジカレー…想像しただけでヨダレが出ます。
スジ肉を下処理していきます。特に難しいことはなく茹でるだけですが、大量の灰汁が出てくるため“茹でこぼす→水で洗う”を最低3回は繰り返す必要があります。
出てきました、大量の灰汁が。1回目は大量の灰汁とともに独特の臭いが漂いますが、繰り返すたびに臭いも消えていきます。
並行してソフリットを作ります。本来はイタリア料理の煮物に使うものですし、最近の市販のカレールーはとてもよくできているので不要ですが、やはり野菜の出汁が入ると抜群に美味しくなります。
炒め始めたときは大量です。
それを弱火でじっくり炒め続けるとペースト状になります。旨味が凝縮された証拠です。塩胡椒すら振っていないのに、これだけで何となくスパイシーな良い香りがするのが不思議です。
スジ肉を適当な大きさに切っていきます。きょうは時間があったので4回、茹でこぼしました。ゼラチン質がすでにプルプルしています。
あとはひたすら煮込むだけです。時間が美味しくしてくれます。野菜室で熟したトマトを発見したのでぶっ込みました。不味くなることはないでしょう。
後ほど仕上げ編をアップします。