電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

続・「就社」と「就職」

ふみちゃんがいない。分かっていたことではありますが、やはり1日のモチベーションが低下します。その半面、実は気が楽だったりします。いると思ってしまうから探してしまい、いないと切なくなるわけで、初めからいないと分かっていればそういうものだと割り切れます。

ふみちゃんに会う前のごく普通の毎日に戻っただけ。電恋なんて先がないわけで、いっそこのまま電車の時間を変えて、2度と会わなくなるというのも選択肢の1つかもしれません。会わなくなれば自然と忘れていくはずですから。

出社してすぐ、先に出社していた後輩にコーヒースペースに連れ込まれました。昨日のことを話したくて仕方ないようですが、社内ではどこで誰が聞いているか分かりませんので、面談の様子のみ聞きました。

先日も少し書いたように、外資系はポジションありきで採用が行われます。欠員が出たり、新たな仕事が発生した際に人材を募集するため、1人ひとりに求められる役割や任される仕事の内容が明確です。国内企業のように「就社」してさまざまな職種を経験し、社内全体を理解した上で適正なポジションに就くということはありません。

外資系では、企業に与えられたポジションで、その仕事だけをこなし、求められる成果を上げればよいのです。編集職で採用されたのに、社内を理解するために総務や人事、営業を数年、経験するということはありません。編集さえできればよし。

その代わり、ポジションがなくなれば他にやるべきことがないわけですから、不要になります。もし仮に数年後、書籍出版事業を復活させることになったら、そのときはまた編集者を採用するだけのことです。

このように、採用して切って、採用して切って…の繰り返しを外人は当たり前だと思っています。全世界的に見れば、日本の終身雇用というのがむしろ異質なのです。ある企業でスキルを身につけて、数年経ったら別のところに移って年収アップを繰り返すのが外資系です。社内の別ポジションへの配置転換による雇用の確保など念頭にありません。

外資系について少し調べてみるだけでも、このような話はあちこちで見つかります。私もよく分かっていましたし、後輩も分かっていたはずです。しかし、いざ自分がこのような事態に直面すると、頭が真っ白になります。懲戒を受けるようなことをしたわけでもないのに、いきなり「クビ!」と言われても。

とりあえず今回は組織変更の影響を受けない部署の人間が、編集部を腫れ物に触るように見ているのが気になります。確かにショックではありますが、みんなそれなりに人生経験を積んできたメンバーで、それほどやわではありません。頼むからそんな目で見ないでくれ。

…といいつつ、先ほどたばこを吸いにいき、戻ってきたところでなかなかIDカードが反応してくれなかったことにびびりました。以前から反応が鈍いのですが、このような心境だと些細なことでも不安になるのです。