情報の発信は難しい
テレビの報道番組でキャスターが事実を伝えるだけでなく主観を述べるようになったのはいつからだろうか…と急に気になってしまい、考えていたのですが、「ニュースステーション」の久米宏氏が最初だったのではないかと思います。
そこから筑紫哲也氏や池上彰氏がメーンキャスターを務める報道番組が始まり、いまやキャスターで報道番組を選ぶ人も多いのではないかと思います。事実を伝えるだけであれば誰でも構わないはずなのに。
報道番組は本来、事実のみを伝え、そこから視聴者が考えることを促すものです。しかし、いまはキャスターが主観を述べ、それに賛同する人がそれを自分の意見として述べるようになっています。
これはとても楽なことです。自分の頭で考えなくて済むわけですから。ただ、そうして考えることをしなくなった結果、情報を取捨選択できない市民ができあがりました。新聞や報道番組による偏った情報を鵜呑みにしてしまうわけです。
ただ、本来の会社勤めとは別に、たまにライター業をやっていますが、事実を伝えるのみというのも難しいわけで。事実を伝えるのみでは面白くなく、ライターは個性を出そうとついエビデンス不明な主観を入れてしまいがちです。
そして、軽い気持ちで書いたそういう部分が大抵、後から大問題になるものです。私はライター業だけで生活しているわけではないので冒険せずに済みますが、ライター業で一発当てようという人は危険ですのでやめましょう。
新聞記者を10年弱やっていましたが、情報の発信は難しいものです。