電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

倒産する新聞社

「お前、最近売れてる『新聞社崩壊』っての読んだ?」― 古巣に残っている同期から先日、連絡があり、元新聞記者として興味をそそられるタイトルだったので購入してみました。

著者は朝日の元販売管理部長です。新聞の衰退に関する書籍は既にたくさん刊行されていますが、そのほとんどは元記者によるものです。販売の最前線にいた人物によるものはなかなかありません。

公表されているデータを活用しているだけで独自の内部情報が書かれているわけではありませんが、分析は詳細で、実際の現場を目にしてきたからこその説得力があります。

この中で全国紙とブロック紙、地方紙の経営状態を独自の3ポイントで評点を出し、ワースト順に並べた表があります。上位は今後10年間で倒産の可能性がある新聞社ということです。一瞬、目を疑いました。

1位:神奈川

まさかの古巣が第1位、しかもダントツ…。確かに私がいたころから経営状態が良いとはお世辞にも言えませんでしたが、もっと悪いところは他にもあると思っていただけに衝撃でした。

それと同時に妥当な順位だと思ってもいます。残っている同期や先輩、後輩から聞く話は気が重くなるものばかりですし、社内の雰囲気も悪くなる一方のようです。

ただ、倒産はさすがにないと思っています。新聞の発行が主力業務ではなくなるだけで、別のことで生き残っていくことはできるでしょう。新聞の発行が主力業務ではなくなる時点で崩壊と言えるのですが。

私にできることがあれば何かしたいと思いますが、何もありません。せいぜい酒を飲みながら愚痴を聞くことぐらいです。そもそも、自分のことで精一杯ですから。

それにしてもこの書籍、編集が甘いせいで読みにくかったのです。いろいろなところが気になってしまい、飛ばしたページもありました。書籍を読めるようになるのはまだ先のようです。