忘年会
外資系は人間関係が希薄だと感じます。人の入れ替わりが激しいからでしょう。編集部は比較的、勤続年数が長めですが、それでもせいぜい4~5年で、営業ともなると3か月で辞める人もざらです。
部や課の親睦を深めるための飲みなども滅多になく、忘年会もありません。しかし、今年は初めて会社主催の全体の忘年会が開かれました。その名もYear End Party…そのままです。
実は今日だったのですが、私は参加していません。渋谷での打ち合わせが終わってから戻れば十分、間に合ったのですが、どうしても参加する気になれませんでした。
六本木ヒルズの高級レストランを貸し切りにしたらしいのですが、それに一体どれだけの費用がかかったのか。それは仲間たちのクビを切りまくって賄えた費用なのではないか。
歪んだ考え方だと自分で思うのですが、去っていった仲間たちの顔が思い出されますし、解雇通告を受けた当人としてどうしてもわだかまりを消すことができません。
「引き止められても断るべきです。退職を口にした社員のことはいつまでも覚えているものです」― 転職エージェントに言われたことですが、まさにこれと同じことだと思います。
転職を決意し、他社から内定を得たものの、勤務時間や給料など現状の見直しが提示され、転職をやめて現職にとどまる人が少なからずいるそうです。
それも選択肢の1つですし、間違いではないと思いますが、一度辞めようとしたことがあるというのはいつまでもしこりとなって残り続けるものです。
それに上司たちが引き止めるときは退職者のことを心から心配し、必要としているように話しますが、本音は部下に辞められて自身の管理能力が問われることを不安に思っているだけです。
私も前職の新聞社を退職する際、聞き心地の良い甘い言葉で何度も引き止められましたが、残っていても社に対して不満を抱えた危険分子としてマークされただろうと思います。
今年振るった大なたのことは水に流し、来年から新たな気持ちで一丸となって進んでいこう、といった文言がインビテーションのメールに書かれていましたが、どの面下げて書いたのかと思いました。
明日、日本支社長やダイレクターに何で参加しなかったのか聞かれるかもしれません。「打ち合わせが長引いてしまって」と言っている裏に「クビを切ってできた金で飲む酒は美味かったか?」という本心を見抜く目はやつらにはあるまい。