電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

非現実的

「お前もそろそろ結婚とかどうなんだ?」― 帰りの電車でふみちゃんと一緒になったにも関わらず話しかけられないという、自分のへたれっぷりに凹みながら帰宅したところ、親父からの電話でダメ押しされました。

親父の電話のそもそもの趣旨は「お盆なんだからたまには顔を出したらどうだ」というものだったのですが、両親と話すと最終的に結婚の話に行き着くので、どうしても足が遠のいてしまいます。

分かる、よーく分かるよ、親父。親戚や従兄弟を見回して、結婚していないのは姉貴とオレだけ。従兄弟はみんな早くに結婚して、子どもが大学生になったところもある中で、早く孫の顔を見たいというのはよーく分かる。

でもね、結婚は1人では無理なのだよ。いくら自分が望んでも、相手がいないとできないのだよ。そして、オレはブサイクだから結婚相手が見つからないのだよ。しかも、ブサイクなくせに電車で一緒になるかわいい女の子に恋をするという、非現実的な状況に陥っているのだよ…。

ちなみに姉は、弟の私が言うのもなんですが、超絶美人です。学生時代からモテにモテまくっていました。「お姉さんに渡してほしい」とラブレターを受け取ったことは数知れず(まだケータイやメールがない時代でした)。

さらに「お姉さんはあんなに美人なのに、全然似てないよなあ。本当に姉弟なのか?」と言われたことも数知れず。「オレは橋の下に捨てられていて、拾われた子どもなんだ…」と本気で悩んだこともありました。

ただ、姉は性格に難ありというか、男勝りというか、中身が完全に男なので、お眼鏡にかなう男はなかなかいないだろうと思います。なんてったって、元プロのレーサーですから。リアル頭文字Dで、富士スピードウェイGT選手権に出ていたような人ですから。

姉はもう40歳を過ぎています。親父も諦めているというか、あまりにも華麗に我が道をいっているので「姉はあれで良い」と思っている節があり、その分だけ私に対するプレッシャーがキツくなっています。

先月「ふみちゃんのことを何とかする!」と心に決めたものの、最大のチャンスだった今日、一歩踏み出すことができず、もう無理なのかもしれないと弱気になっています。仕事であれば、初対面の相手でも1~2時間、話を盛り上げられるのに。

電恋なんてやはり非現実的なのでしょうか。性格も知らない女性にここまで夢中になってしまうのはやはりおかしいことなのでしょうか。「おはよう」「今日もお疲れ」という、たわいない会話を望んでしまうのはやはり無謀なのでしょうか。

いったい、どうすりゃいいんだ。