電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

忠犬ハチ公

やはり虫の知らせだったのかもしれません。本当に理由など何もなく、ただ何となく「ふみちゃんにもう2度と会えないかもしれない」と思っただけです。

そもそもそういう運命だったのか、それともそんなことを思ってしまったから現実になってしまったのか、いずれにしてもふみちゃんは今朝もいませんでした。

いつもの時間にコーヒースペースから外を眺めると、そこにふみちゃんはおらず、ふみちゃんの同僚が1人で歩いていました。

「ふみちゃんはどうしたんですか?」と聞きたいのはやまやまですが、もちろんこの同僚と何の知り合いでもないため、聞けるわけがありません。

「この時間のずずずは相変わらずコーヒースペースにいるね」と出社してきたイギリス人の同僚に話しかけられました。

「飼い主の帰りを待ち続けたのって何だっけ?リチャード・ギアが主演で映画にもなったあれだよ」「忠犬ハチ公?」「そう、それ!ずずずはハチ公みたいだね」

確かに私はハチ公と同じかもしれません。ふみちゃんをいつまでもずっと待ち続けて、そのまま気付いたら銅像になってコーヒースペースに置かれていたりして。

ふみちゃんに会いたい。

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