電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

油断

ふみちゃんの彼氏はどんな人なのだろう。きっと私の対極に位置するような爽やかイケメンで、男女問わず誰からも好かれるような人なのだろう。お似合いのカップルが目に浮かぶ。

いつも電車で一緒だったふみちゃんの同僚も、1人は少し派手めの美人、もう1人はかわいらしい女性で、それぞれ当然のごとく彼氏がいるようでした。派手めの人は左手の薬指に指輪をしていましたし。

クリスマスはそれぞれ彼氏と楽しく過ごすのでしょう。1人でいることに慣れてしまっているので、ふだんは何とも思わないのですが、今年は心が乱れます。

一昨日、ふみちゃんに会わなければもう少しマシだったろうに、なぜこのタイミングで遭遇してしまったのか、自分の油断に後悔しています。

ふみちゃんに会いたいですし、目がなくなる笑顔を見たいですし、少し鼻にかかったような声を聞きたいです。しかし、それはもう2度と叶わぬ夢ですし、望んでもいけません。

でも…やっぱりふみちゃんに会いたい気持ちは消せません。ふみちゃんは私の姿など2度と見たくないのでしょうし、ふみちゃんが嫌がることだけは絶対にしたくないので、何もしませんが。