電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

新たなアシスタント候補者

人材紹介会社から新しい候補者の連絡がありました。資料を拝見したところ、ビジネスや金融に関する書籍の制作経験が豊富で「おっ、この人は何だか良さそうな」と思いました。ただ、数社を転々としすぎていることがとても気になっています。

大学を卒業後、出版社に正社員として入社して以降、ずっと出版業界にいらっしゃる方なのですが、正社員→フリーランスを繰り返しています。しかも、正社員として採用されたところを、どこも2年経たずに退職されています。

自身の病気や家庭の都合など、どうしても退職せざるをえなかった事情があるのかもしれませんが、「何か問題があるのではないか」と考えてしまいます。正社員としての採用だったらお断りしていると思います。

また、40代後半の男性というところも引っかかっています。「年下の上司」「年上の部下」というのも多くなってきているようですが、いざ自分がその立場になると思うと、どうしても気を遣ってしまい、指示が出せない気がしています。

正社員として採用された出版社数社をどこも2年未満で退職しているのは、編集について悪い意味で確固たる考えを持っている、自分の考えに凝り固まっているのではないかと懸念しています。社の方針と少しでも合わなくなったらすぐに辞めてきたのではないかと。

編集者としての経験は私よりも豊富で年上…私の指示に従ってくれないのではないかと心配しています。ご自身のこれまでの経験から「こうやったほうが良い」という場面が多々出てくるだろうと思っているのですが、そこで素直に従ってくれるでしょうか。

また、候補者の方は弊社で出しているジャンルについて未経験ですし、弊社には弊社のやり方や決め事があるわけで、私自身もそういう場面できちんと説明して従わせることができるでしょうか。

私の負荷を減らすために採用しようとしているのに、逆に面倒が増えそうな気がしているのです。会ってみたらとても良い方で、いま感じている不安が杞憂に終わるのかもしれませんが、直感というのは意外と当たるものです。

人材紹介会社は、会う前には職務経歴書しか情報を提供してくれません。これまでと違う会社で、今回の会社は年齢と性別を教えてくれましたが、この前の女性を紹介してくれた会社は何も教えてくれませんでした。

きっと私のように年齢や性別でイメージを作り上げてしまい、これまでの経験や身に付けたスキルを見る目が曇ってしまうことを懸念しているようです。現に私がそうなっているので、あくまでも職務経歴だけ提供しているのでしょう。

採用は本当に難しいです。有期の派遣社員であってもこれだけ悩むのですから、正社員の採用となったらどれだけ悩むのでしょうか。2回、3回と何度も面接を繰り返す理由がよく分かります。即決できるような方、きてくれないものか。