電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

光源氏計画

「結婚しました!」

学生時代のサークルの先輩からFacebookで流れてきました。先輩はバツイチなので正確に言うと再婚です。

驚くのは年齢差で、奥さんは先輩より16歳下になります。先輩は塾の先生をしていて、奥さんはかつての教え子です。初めて会ったときは中学生だったそうな。

源氏物語』で主人公の光源氏が幼少期から自分好みに育て上げて最終的に妻にしてしまった紫の上を思い出します。まさにリアル光源氏

確かに先輩はカッコイイのです。子どものころから音楽の英才教育を受けて絶対音感がありますし、それからドラムに転向してとても上手いですし。

おまけに関西人なので頭の回転が速くて喋りも上手く、男女ともに一緒にいて飽きさせません。学生時代もモテていました。

体育会系の部ではないサークル、しかもバンドですが、妙に上下関係が厳しく、私は“いいね”を押して「おめでとうございます!」とコメントしただけです。

しかし、先輩と同期の方々はあれこれと書き込んでいて、その中に「また教え子に手を出したのか!」というものがありました。

…また?

私も金に物を言わせて中学生ぐらいから育て上げるしかないのか、いやそれは鬼畜だし、やっぱりふみちゃん大好きだし。

今日の帰りも近所の神社に寄ってふみちゃんの幸せをお願いしてきました。私のようなブサイクのポジションはこれぐらいが合っています。

それにしても、サークルの私の代の有志一同でお祝いを贈ろうというメールが回ってきましたが、何だか癪に障るのは秘密です。

くっそー。

修学旅行の中学生

「すみません、写真お願いしてもいいですか」― 裏でタバコを吸っていたら、修学旅行で兵庫県から来たという中学生のグループに声をかけられました。

数枚撮ってカメラを返そうとすると「せっかくだから撮りなよ」「えー、いいよー」という小声のやり取りが聞こえてきました。

もしかして…と思ったら予想どおりでした。「この2人だけで撮ってもらってもいいですか」とお互いにもじもじした初々しいカップルが出てきました。

「この2人、昨日から付き合いだしたんですよ」と世話焼き係のような女の子から情報をいただき「それなら手ぐらいつなぎなよ」と私も便乗してみました。

手を握った瞬間、2人とも顔が真っ赤になりました。この年頃の子をからかいすぎるのはよくありません。さっと撮って終わりにしてあげました。

ったく、中学生でもカップルなのにオレはいったい…。

朝イチでダイレクターに詰められた後、いつものようにコーヒーを飲みながらふみちゃんを眺めていました。同僚と2人で楽しそうに話しています。

目がなくなる笑顔を向けられて、2人で並んで歩ける男がいるのか…ふみちゃんの後ろ姿を眺めながらそんなことを考え、朝イチで怒られたことも相まって落ちました。

窓ガラスにうっすらと映る自分を見て、何てブサイクなのだろうとしみじみ思います。われながらブサイクで申し訳ない。