電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

思い悩む

「そうですね。それでですね…」

インタビューは言葉のキャッチボールです。まずこちらが質問を投げ、それに対する答えに対してさらにこちらが質問を投げかける…この繰り返しです。

“インタビュー”というと難しく感じますが、つまるところ日常会話の延長です。相手のことを理解したい、相手にも自分のことを理解してもらいたいという気持ちが必要です。

しかし、ごくたまに会話が成り立たない人がいます。自分のことを一方的に話すのみ。当人は気持ち良いのでしょうけど、聞かされるほうは疲れます。

先ほどこなしてきたインタビューがまさにこれでした。私がICレコーダーのスイッチを入れる前から話し始め、カットインする隙を与えてくれません。

息を吸う一瞬の隙をついてカットインしても冒頭のようにすぐに自分の話に戻ります。インタビューの相手がこの類の人であったのが運の尽きで、終わるまでガマンせざるをえません。

予定は1時間30分だったのですが、終わってみれば結局、2時間近く話し続けていました。自分でも声を発していればまだよいのですが、聞き続けるだけというのは疲れるものです。

外に出ると、キラキラした丸の内OLがいました。彼女たちも本音の部分ではさまざまな悩みを抱えているのでしょうけど、少なくとも表面的には人生を楽しんでいるように見えます。

東京駅から横浜方面に向かう満員の東海道線に乗りながらスマホを眺めていたら、例のバンドのFacebookページに先日のオーディションの画像がアップされていました。

もちろん顔が分かるようなものではありませんが、オーディションを受けた当人には自分であることが分かります。そしてひと言、書かれていました。

「とても良いベーシストが見つかりました。加入してくれたら嬉しいな」

メジャーデビューにしろ、仕事にしろ、早く結論を出さなければならないと思っています。そして、それは自分自身でしかできないこともよく分かっています。

守るべきものが何もない独り身ですし、どうせ今後も独り身なのですから、何を思い悩む必要があるのかと思うのですが、どうしても決断できない自分がいます。

新規事業の立ち上げ

「新規事業の立ち上げチームに入ってほしい」― 朝イチでダイレクターに呼ばれたので身構えたのですが、思ってもみない話でした。

今年から異動してまだ3か月です。ようやく新しい業務を覚えてきたところで、また異動ですか。サラリーマンの宿命とはいえ都合良く使われている感が満載です。

ただ、具体的なことはさすがに書けませんが、私が得意とすることであり、以前からやってみたいと思っていたことでした。

しかも、金だけ渡すからあとは好きなようにやってよいという好条件です。もちろん、売り上げを立てられなければ即クビになるわけですが。

正直言って異動後のいまの仕事は楽しくありません。文字を記号として見るようなもので、頭をほとんど使わず機械的にデータを処理しています。

それに対して新規事業は私のこれまでの経験を活かせるものです。少なくともいまの業務より楽しいことは確実で、やりがいも得られると思います。

しかし、これを受けてしまったらメジャーデビューへの誘いを断らなければなりません。しばらくは掛け持ちできたとしても、新規事業が動き出すころに辞めることになるはずです。

それでは新しいチームのメンバーに迷惑をかけてしまいます。そもそも打診のように見えて命令です。断れませんし、断るのであれば辞めなければなりません。

何でこういろいろと重なるのか…。

もちろん、決断は自分でするしかなく、アドバイスがほしいわけでもありません。ただ、こんなとき、ふみちゃんに目がなくなる笑顔を向けてもらえたら、と思います。

頭の中がぐるぐると渦巻き、精神的な余裕がなくなりつつあるいま、ふみちゃんがにっこりと笑ってくれるだけで気持ちが休まるのですが、それは望むべくもありません。

今日は夕方から外出で、久しぶりにスーツを着てネクタイを締めています。こんなときに限って雨降りで凹み気味ですが、頬を張って気を引き締めないといけません。

元気があれば何でもできる…うーん?