電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

一汁三菜

マンションのオーナーさんに新米をいただきました。新潟で暮らす友人が知人の農家さんから購入したものを毎年、送ってくれるそうです。

私はふだん、米をあまり食べません。糖質制限しているわけではなく、酒を飲んでいるからです。酒を飲んでしまうと米は食べられません。

先週は暴飲暴食が過ぎました。ツイッターもご覧になっている方は「こいつは毎日、飲み歩きやがって…」と思っていたことでしょう。

体調を崩し、風邪を引いたのはそのせいだと思われます。せっかく美味しい米をいただいたので、たまには健康的な一汁三菜にしてみます。

一汁三菜とは、ごはんと汁もの、おかず3種の献立です。肉や魚で動物性タンパク質を摂る主菜、野菜でビタミンなどを摂る副菜を2品で三菜となります。

今日は三菜の定番である、ぶりの照り焼きを主菜、筑前煮を副菜、キュウリとワカメの酢の物を副々菜とします。

作ります。

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まず筑前煮。具は鶏もも肉、ごぼう、れんこん、にんじん、干し椎茸、こんにゃく、いんげん、写真にはありませんが里芋も入れます。味が染みた根菜は人を幸せにしてくれます。

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鶏もも肉をごま油で炒めます。

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ごぼうとれんこん、にんじん、時間差でこんにゃくを投入し、炒めます。具に油が馴染んだところで出汁を入れ、戻した干し椎茸を入れます。

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このときに干し椎茸の戻し汁を加えることを忘れずに。里芋を投入し、弱火でコトコトと煮ていきます。

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その間にぶりの照り焼きの準備です。醤油と酒、みりんを混ぜたタレに、キッチンペーパーで水気を切ったぶりを漬け込みます。途中でひっくり返しながら30分程度です。

さらに、その間に乾燥ワカメを戻しつつ、薄切りにしたキュウリを塩揉みして水分を絞ります。酢と醤油、みりんを混ぜて三杯酢も用意しておきます。

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筑前煮の様子を見つつ、ぶりを焼きます。焼く前にキッチンペーパーでさっとタレを拭き取ります。そのままだと焦げやすいからです。

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焼き色がついてきたところで漬け込んだタレを投入し、ぶりに絡めていきます。

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筑前煮に塩ゆでしたいんげんを添えて完成です。汁ものは長ネギと油揚げの味噌汁、キュウリとワカメの酢の物にはカニかまを加えています。

ごはんと一緒に食べることを考慮し、ぶりの照り焼きは少し濃い目の味つけにしました。新米の甘みと相まって至福の喜びです。

新米を食べると「日本人で良かった」としみじみ思います。それと同時に、新米で作られる新酒を楽しみにしてしまうのが飲んだくれです。

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なめ茸も作りました。少量なのに意外とお高いなめ茸ですが、えのきを出汁と醤油、みりんで煮詰めるだけで簡単に作れます。

私はこれに千切りにした生姜を加えています。生姜の歯ごたえとピリッとした辛味が食欲をそそり、ごはんを何杯でも食べられます。

筑前煮は3~4日、日持ちするので多めに作るのがおすすめです。たくさんの野菜で作ったほうが旨味も増します。

私は栄養に関する知識などありませんが、一汁三菜は材料を見るだけでも身体に良く、理にかなっていると思います。先人の知恵には脱帽です。

ただ、これだけ作るのは正直言って大変です。炊飯器がある、出汁の素がある、火力調整ができるガスコンロがあるといっても、これを毎日繰り返すのは一苦労です。

一汁三菜はとても理想的な食事だと思いますが、現代の生活スタイルには合っていません。男が外で稼ぎ、女は家を守るという、前時代的な考えの下に成り立っているものではないかと思います。

だから、たまには…で十分です。「外で飲んでしまった、〆にラーメンまで食べてしまった、せめて休日だけでも」で良いはずです。

24時間365日、いつでもどこでも仕事ができてしまう編集者の食事を縛るのは無理なことです。「酒を飲むための言い訳をしているだけだろ!」は言わない約束です。