電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

ICレコーダー

「君はずっと休んでいても構わないが」

編集部のメンバーが全員、ダイレクターに呼ばれました。各社員の有休の残り日数が人事から送られてきたそうで、要は編集部はみんな有休消化率が悪すぎるからもっと休め、という話です。

その中で1人ひとりの有休の残り日数を伝えられたのですが、私に伝えた後に冒頭のひと言をさらっと付け足しました。編集部のメンバーはみんな事情を知っているので空気が一瞬で凍り付きました。

私はどこ吹く風でしれっと受け流しましたが、周りの雰囲気まで悪くするのはいかがなものかと思います。私が嫌いなら私だけに攻撃すればよいものを。ほかのスタッフは関係ありません。

しかし、編集部の雰囲気が悪くなり、誰かが人事に「ダイレクターとずずずさんのせいで仕事をしづらい」とでも言おうものなら、すべての責任は私に押し付けられるでしょう。1スタッフに弁解の機会はありません。

ただし、ダイレクター、あなたは私がバリバリの新聞記者だったこと、ここでも何度もインタビューに出かけていたこと、つまりICレコーダーを常に持ち歩いていることを忘れています。

冒頭のひと言はもちろん録音済みです。

ICレコーダーを所有している人、それを常に持ち歩いている人、何かあればすぐにスイッチを入れるクセがついている人はそうそういないはずですが、幸か不幸か私はそういう人間なのです。

最近はスマホにもボイスレコーダー機能がついていますが、話し中にスマホをいじっていてはすぐにバレます。一方、ICレコーダーは小さく、録音に特化しているため、ボタンを押せばすぐに録音開始です。

ダイレクターに教わったことはたくさんありますし、今回の件は私にもかなりの非がありますが、だからといって一方的にやられっぱなしにならず、身を守らなければなりません。

このような録音を利用する機会などなければそれに越したことはありません。注目を集める人物から興味深い話を聞くために買ったICレコーダーです。早く本来の使い方に戻れますように。