電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

長時間労働

干され始めたといってもジョブ・ディスクリプションに明記された業務があるわけで、それを淡々とこなして定時の17時直前にすべて終えました。

ダイレクターは部下の能力を正確に把握し、それに見合った業務を割り振る、マネジメントという重要な任務を与えられています。

その点について、彼は完ぺきです。だからこそ自身がマネジメントしたこと以外の業務に手を出し、私が許容量を超えて仕事をすることにガマンできないわけです。

現内閣が推進する“働き方改革”の中の最重要課題は長時間労働の是正です。

どの企業にとっても「奇麗事を言っていられるか」という状況ですが、大企業には法的問題のほかに社会の目があります。

法的に問題がなかったとしても、長時間労働による過労死が疑われる事案が発生してしまったとしたら、SNSなどで一気に拡散します。

「どうも過労死っぽいよ」― 顔が見えないことをよいことにした無責任なひと言によって、名だたる大企業でも一瞬で倒れてしまう危険性を秘めています。

企業がいま最も注意しているのは、私のように自主的に長時間労働をしてしまう従業員です。もし、これでメンタルヘルスに不調をきたすようなことがあったら大問題です。

「“早く帰れ”と言っていたのに自主的にやっていたんだ」という主張は通りません。社会の目は“企業=組織=強い”、“個人=弱い”と決めつけます。

仮に長時間労働メンタルヘルスに不調をきたしたとしても、私は会社に何か言うつもりはありません。あくまでも自己責任です。

しかし、私の両親や友人・知人はそう思わないでしょう。会社の責任を追及するかもしれません。いつの間にか「“早く帰れ”と口に出して言っていたものの、実際は暗黙の圧力があったのではないか」などと話がすり替わることも往々にしてあります。

ダイレクターが私に「広告営業チームのサポートをするな」と言ったのは決して間違っていません。組織、ひいては組織に属する従業員全員を守るための行為であったともいえます。

困っている仲間を助けて干されることは悔しいのですが、ダイレクターにも言い分があり、しかも間違っていないことがよく分かるので、何も言えません。組織を危険にさらすような個の暴走は非難されるべきものです。

今日は久しぶりに定時でオフィスを出ました。まだ空が明るく、「もつ焼き屋に寄ろうかな」と思ったのですが、まっすぐ帰ってきました。

キツい仕事をやりきった感があるからこそ、もつ焼きは美味しいのです。自分を追い込んでいない状況で食べても物足りないはずです。

明日も淡々と、自身に与えられた業務をこなすのみです。