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電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

否が応でも

「“もう2度とやりたくないし、顔も見たくない”なんて言ってるんだって?」― 広告チームの女性が怒り心頭で私のデスクにやってきました。何のことやらちんぷんかんぷんです。

広告チームが担当する今年の紙媒体について編集部のダイレクターを交えたミーティングがあり、私が冒頭のセリフを言ったとダイレクターから聞いたそうです。

広告チームの紙媒体はものすごく大変です。クライアントからお金をもらって発行するわけで、クライアントの気分1つで方針がころころ変わり、自分でハンドリングできません。

ただ、弊社で扱っている分野について第一線で活躍しているプロに会って話を聞けることはとても面白いのです。良く言えば個性が強い、悪く言えば変わり者がたくさんいます。

高額なセミナーで講師を務めるような方もいて、そのような方と1対1で、しかも無料で話せるというのはまさに役得です。この仕事をしていなければ一生、縁がなかったはずです。

広告チームの紙媒体はかなりの売り上げをもたらす優良コンテンツですが、あまりの過酷さに歴代の担当者が全員、音を上げてきました。

私も初回は本当に苦労しましたが、徐々に問題点が見えてきて、少しずつ改善していきました。自分で書いてきたという記者の経験も役に立ちました。

限られた予算と限られた人員、限られた時間の中で、クライアントがそれなりに納得するレベルのものを制作できるのは、社内でいま私しかいません。

広告チームもそれが分かっているので今年も私に担当してほしいと思っているわけです。それに何回かこなして部署は違えど信頼関係が出来上がりました。

それを自分が知らないところでぶち壊されそうになりました。それなりの規模の会社であればよくあることですが、ひと言ほしいところです。私はダイレクターに何も聞かれていませんでしたし。

お金を生み出すコンテンツなので、社内でドロドロとして駆け引きが繰り広げられています。要はダイレクターたちがそれを自分の実績にしたいのです。

社内でそれなりのポジションにいると否が応でも争いに巻き込まれます。これも仕事の1つであり、仕事とは本来、楽しくないものですが、それにしても楽しくありません。

こういうとき、われながら大人になったなあ…と痛感します。年齢的にはもう十分、大人なのですが。