電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

インタビューを楽しむ

分からないことが自分でも分からない、というのは往々にしてあることです。誰かに質問したいのに、どう質問すればよいのか分からない。本当の意味で頭が良い人は、質問者が分からないことを理解し、それを踏まえた上で回答してくれます。

私がふだん接している著者やインタビューの相手はある分野の専門家で「先生」と呼ばれる類の方々です。専門家といってもピンキリですが、その中でもピンのほうに位置する方々を相手にしています。

この分野は大枠の中でさらに細分化され、それぞれに専門家がいます。もちろん、私もある程度の知識を備えていますが、とても難しい分野のため、大枠もままならず、細分化されたほうについては表面的な知識しかありません。

今日のインタビューは細分化されたほうの専門家で、その中でも私が特に知識を持っていない分野でした。相手は当然、インタビュアーにも相応の知識を求めますし、気の利いた質問は知識がないとできません。

新聞記者時代も含め、これまでたくさんの方にインタビューしてきました。中には、こちらが的外れな質問をすると「何を聞いているんだ」「そんなことも分からないのか」という見下したような態度をとる方がいました。

新聞記者1年目のときなど「聞きたいことをもう少しまとめてから来てください」と言われ、インタビューを途中で打ち切られたことがありました。しばらくインタビュー恐怖症になりました。

新人で知識がない、インタビューに不慣れ、というのはあくまでも私の都合であって、忙しい時間を割いてインタビューを受けているのに、と思うことは仕方ありません。新人だから大らかに対応してください、というのは私の勝手です。

しかし、そのような方がいる一方で、しどろもどろな質問をしてしまっても「この人はこういうことを聞きたくて、こう答えてもらいたいのだろうな」と先回りして回答してくれる方もいます。

今日のインタビューの相手は後者のタイプの方でした。最初の回答から「おっ、この方は良いタイプだ」と思いましたし、その後も私の質問を補いながら答えてくれました。そうなると私の舌も自然と滑らかになるので、予定時間を少しオーバーしてしまうぐらい話が弾みました。

こういう方ばかりだとよいのに…と思うのですが、世の中はそう上手くできているわけではありません。週明けにもう1本、インタビューがあります。営業の口ぶりだと、どうやら前者のタイプのようです。

専門家は付け焼き刃を嫌いますし、そもそもすぐにバレます。かといって、何の装備もせずに立ち向かうわけにもいきませんから、週末の2日間で最近のトレンドぐらいは詰め込まなければなりません。

この仕事をしていなかったら絶対に会えないような方々と会えて、さらに専門的な話を聞けるというのは本来、とても楽しいことなのですが、純粋にインタビューを楽しめるようになるにはまだ時間がかかりそうです。