電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

面接(その2)

結論から言うと、今日お目にかかった方はナシです。きちんとした理由があります。こちらが求めているだけの編集経験がありませんでした。職務経歴書には結構なことが書いてあったので編集長も会ってみようと思ったそうですが、話が全然噛み合わず。

40代前半の男性で、事前にいただいていた職務経歴書に8社が記載されていました。正社員だったのは新卒時に入社したところだけで、そこを2年半で辞めて以降、契約社員や派遣スタッフとして各社を1~2年で転々としていました。

先日も少し書きましたが、派遣スタッフとの「面接」は法律で禁止されています。さまざまな業務をお願いするのではなく、決まった業務のみをお願いするため「職務経歴書を見れば判断できるでしょう?」というのが理由です。

年齢や性別、学歴も事前に教えてもらえませんし、なぜ退職を繰り返しているかといったことを聞くのは御法度です。職務経歴書を見た上で呼び出すということは採用するという意思表示と同等で、業務開始に備えた「顔合わせ」なのです。

ただ、そうは言っても…ねぇ?数か月間とはいえ毎日、一緒に仕事するわけですから、書類を見ただけで判断しろ!というのも無理な話です。顔合わせという建前の下、実際には面接しているのです。

そして、こうしてお目にかかって直接、話をしてみないと分からないことも多々あるのです。出版社での勤務経験があったものの、実際に編集に携わっていたわけではなく、編集部の電話番やゲラを届けるだけだったようです。

「至らない点は学んでいきたいと考えています」と言われました。分からないことを積極的に学んでいこうというのは素晴らしいことだと思いますが、今回はそういう類のものではありません。

それに、少し厳しい言い方をしますが、40歳を過ぎて仕事で「学んでいきたい=教えてもらいたい」というのはいかがなものかと思います。そのセリフを言えるのはせいぜい30代前半が限界ではないでしょうか。

私は、何かを始めるのに遅すぎるということはないと思っています。ただ、それは時と場合によります。こちらは困っていて、急いでいます。正直言って、教えている余裕などありません。今日の方とはご縁がなかったと思います。

(つづく)