電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

地獄の広告案件

「地獄の広告案件」― 何とか先ほど印刷会社にデータを渡しました。来週の責了まで修正はもう少し続きますが、ひとまず入稿できたことに睡眠不足が加わり、ナチュラルハイになっています。この反動で明日は昼過ぎまで眠ってしまいそうですが。

世の中にはたくさんの印刷物があふれていますが、その中の1つに広告案件またはクライアント案件と呼ばれ、編集者やデザイナーに忌み嫌われるものがあります。制作工程が分からないクライアントの意向に振り回されるため、とにかく疲れ果てます。

私のメイン業務である書籍制作は、企画を立てて著者を探し、原稿を書いてもらってそれを編集して、1冊の書籍を作り上げることです。著者とは私が直接やりとりしますし、著者が複数人になることはありますが、基本的に自分のペースで進められます。

もちろん、思うように進まない場面もありますが、そのようなときでも「こうしてみてはいかがでしょうか」と提案する余地があるのです。著者も話を聞いて考えてくれますし、編集者に協力してくれます。

しかし、広告案件というものは、クライアントがお金を払ってページを買っているのです。例えば新聞で、ある企業を紹介したり、その企業のキーパーソンにインタビューしたりしているものがたまにありますが、それはその企業がページを買って自社を宣伝しているのです。

この場合、企画を考えてお金を取ってくるのは営業です。営業は自身で制作できないため、社内や外部の編集者が依頼を受けて制作するのですが、制作担当者とクライアントの間には常に営業を挟むことになります。

クライアントはお金を払ってページを買っているのだから細部に至るまで自分の思うようにしたい、営業はお金をもらっているわけだからクライアントに良い顔をしたい、制作担当者はそこで生まれる数々の無理難題をこなさなければなりません。

クライアントも営業も制作工程のことを分かっていないため、自分たちの要望がボタン1つ押すだけで簡単にできると思っているのです。画像や文字、色などのバランスを考え抜いてできあがったデザインを根底からひっくり返すようなことも平気で言ってきます。

制作担当者や制作工程のことを説明したら理解してくれるクライアントは少なくないと思います。「その指示を反映すると別の箇所にしわ寄せがいって、全体を通して見るとおかしくなるので、代わりにこうしてみては?」など、制作担当者の提案を検討してくれるクライアントもいるはずです。

しかし、制作担当者はクライアントと直接やりとりできません。クライアントも制作担当者も営業というフィルターを1枚通さなければなりません。クライアントは何を言っても「ハイ!できます!」と営業が言うので、何でもできると思ってしまうのです。

もちろん、制作担当者から営業に意見することもありますが、営業はなぜそうなのかを理解できず、クライアントに説明することもできません。また、代替案を出しても言われたことに対して「できない」と言いたがらないため、何でも受けてきます。

今回、私が担当している案件は、18社が登場する小冊子です。それぞれが2~4ページを買っていて、18社から無理難題が出てきます。さらに営業は3人も関わるため、バラバラの意見が集まります。制作はもちろん調整が大変です。

しかも営業はスケジュール感というものを持ち合わせていないので、とにかくギリギリまで引っ張ります。私の今日の午前中のように、入稿当日にここまでバタバタと作業することは本来ありえないのです。

この小冊子は弊社で発行している月刊誌の付録として年3回、制作しています。これまで外注していたのですが、やはり社内の人間でないと難しいということになり、昨年の9月から私が書籍と並行してやっています。

取材から原稿執筆、編集までこなせるのは社内で私しかいません。しかも、ありがた迷惑なことにクライアントのウケがよく「前回と同じ方なら出稿する」と私を指名してくるクライアントもいます。本来であれば喜ばしいことですが、勘弁してもらいたいのが本音です。

次は年末に発行します。制作は10月中旬から始まる見込みです。今回のものが終わったら数日だけでも休ませてもらうつもりでしたが、大量の書籍を抱えさせられてしまったため、次の制作開始までにできるだけ書籍を進めておく必要があります。

夏休み?何ですかそれ、美味しいの?