電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

悶々と

行動を起こすと決めたものの、約1年間ぐらい続いているいまの状況をそう簡単に変えることはできません。ふみちゃんは今朝もすぐ近くにいましたが、電車の中で話しかけるわけにもいかず、悶々としていました。

っていうか、ふみちゃん、ポケモンGOやってるし…。

そう、ふみちゃんはいつもスマホをいじっていて、それが話しかけにくい雰囲気を醸し出しています。イヤホンで音楽を聴いているよりはマシですが、ずっとスマホを見ているのはなかなかハードルが高いです。

それにしても、何度見てもかわゆいのです。笑うと目がなくなるところとか、えくぼができるところとか。仲良くなってふみちゃんを笑わせてみたい!とにかくこれです。誕生日にリストラ通告を受けるという天性の芸人体質ですので、ネタは豊富です。

う~ん…と頭を悩ませながらデスクについた瞬間、後輩にコーヒースペースに連れ込まれました。そうだった、昨日は面接だったんだ。申し訳ない、すっかり忘れていたよ。

昨日の面接は、副編集長である私の先輩と、先輩の上司の編集長、さらにそのジャンルの書籍出版事業を統括する役員の3人だったそうです。先輩の職場は総合出版社であるため、一般書や実用書、ビジネス書、コミックなど、書籍出版事業の中でも細分化されています。

「○○さん(=私の先輩)から何か連絡ありませんでしたか?」

後輩の気持ちはよく分かります。私が後輩の立場だったらいてもたってもいられません。しかし、先輩がそんな連絡をしてくるわけがありませんし、私も先輩に連絡するつもりもありません。仮に連絡したところで何かを教えてくれるはずがありません。

私の役目は先輩に紹介して面接の機会を与えるところまで。あとは自分の力で何とかするしかありません。後輩が言うには、特に大きなつまずきもなく、それなりに盛り上がって終えられたとのことです。あとは天に祈るのみ。

後輩にとって自分と家族の人生がかかっている大問題であることはよく分かるのですが、ふみちゃんのことで頭がいっぱいなのです。