電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

ライブ感

「お前らすげーよ!何かやらかしてくれそうなハラハラドキドキさせるスリリングな演奏がたまらないゼ!」― 昨夜のハコは在日米軍の関係者がよく飲みに来るバーで、ライブを観てくれた数人の外人に言われました。

裏を返せば“安定感がない”とも言えるわけで、素直に喜んでよいものかどうか微妙ですが、演奏はきっちりまとまっていましたし、腰や尻を振りながら踊っていたので、褒められていると受け取っておきます。

個人的には、黒人に「何てファンキーなベースを弾くんだ!お前は本当に日本人か!」と言われたのが嬉しかったりします。以前、米軍基地で演奏してビール瓶を投げられたころと比べれば上手くなったようで。

確かに、うちのバンドのライブは毎回、緊張感が漂っています。だってみんなスタジオでの練習と違うことやるんだもん。うちのバンドはボーカルなしのインストで、ボーカルが煽ったりできないので、純粋に演奏だけで盛り上げなければなりません。

サックスとキーボード、ギターはその時の気分でソロを伸ばしますし、ドラムは感覚派なのでノッてくると変なリズムを入れてきます。ベースはメロディを弾きつつ、リズムを保つパートです。両方に気を配らないといけないのです。

おまけに上手く弾けば弾くほど目立たず、逆に1音外しただけですぐ分かるという損なパートです。何でこんな苦行のような楽器に手を出してしまったのか。

昨夜、一緒に出た中に、ものすごく上手いバンドがいました。セミプロな感じで、有名なハコでワンマンをやったり、ツアーに出たり、女性ボーカルがしっとりと聴かせるバンドでした。

上手かったです。各パートともきっちりと自分の役割をこなし、演奏が乱れることもなく、自然に聞き入ってしまうものでした。ただ、正直言って面白くないと感じてしまったのです。「CDを聴けばよいのでは…」と思いました。そう、CDを聴いているみたいだったのです。

レコーディングは間違えればすぐに何度でも直せます。しかし、ライブは一発勝負であり、それが良いところです。しっとりと聴かせるというスタイルであったせいもありますが、それにしても落ち着きすぎていた感がありました。この辺は個人の趣味なので何ともいえませんが。

バンドって難しいとあらためて実感してみたわけです、はい。